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「純さん…………お風呂……まだ……だし……」
頬から指先に伝わってくる熱に、純の淫情を感じる。
「恵菜を抱いた後に…………一緒に入ればいいだろ?」
彼が白磁の首筋に顔を埋めると、丹念に唇を這わせながら舐め上げた。
衣擦れの音がリビングの中で微かに響き、恵菜の心臓がキュっと握られていく。
「んっ…………はぁっ……」
ひとしきり、滑らかな首筋を堪能した純が顔を離し、恵菜を取り囲んで見下ろす。
「恵菜。君を…………抱いていいか?」
妖しく濡れる純の眼差しは、まっすぐに恵菜を貫き、発せられる声は掠れている。
彼女は辿々しく、コクリと頷いた。
純が恵菜から離れると、華奢な身体を膝下から掬い上げ、俗に言う『お姫様抱っこ』をする。
「えっ…………じゅっ……純さっ……」
彼女が慌てて彼の首に腕を回し、見上げると、純は真剣な表情でリビングから退室し、すぐそばの寝室に入った。
ダブルベッドに恵菜をそっと横たわせ、カーテンを閉めると、彼が両手を突き、恵菜に覆い被さる。
「恵菜。恋人同士になったその日に、俺に抱かれる事…………後悔しないな?」
後悔なんてしない。
いや、するはずがない。
ただ、気に掛かるのが、恵菜の男性経験は、元夫の早瀬勇人しか知らない事。
最後にセックスしたのは、もう二年半以上前になる。
「純さんに抱かれる事に…………後悔なんてしません。ただ……」
「ただ?」
恵菜の唇から、震えている吐息が零れた。
こんな事を、純に打ち明けるのは勇気が要るし、恥ずかしくてたまらない。
彼の問いに答えず、無言の恵菜。
「恵菜? 嫌だったら嫌って言って欲しい。俺は…………恵菜の気持ちを尊重したいし、君が俺に抱かれたいって思った時に…………恵菜を存分に抱きたい」
口を引き結んだままの恵菜に、純が穏やかな声音で宥めると、彼女は顔を紅潮させながら、消え入りそうな声で答える。
「嫌じゃ…………なくて。私…………男の人は……元夫しか……知らないし…………二年半以上してないから……処女みたいなものだし……」
羞恥心でいっぱいになった恵菜が、顔を背けると、彼が細い身体を抱き竦めた。