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信也さん、優しい~💖✨ でも、凪子さんの頭をポンポンして撫でたり...って、普通は 仕事仲間 しかも既婚者には絶対しないよね~😁 凪子さんも 信也さんの香りが好きだって....♥️🤭ウフフ 早く離婚が成立して、今度こそ 凪子さんに幸せがやって来ますように🍀✨
信也さん太っ腹‼️かわいい凪子さんの為ならなんのその❣️ベランダ越しに信也さんと話すこともできそう🎶 でも人目にはくれぐれも気をつけて…👀
凪子は昼過ぎに家を出て、信也との待ち合わせ場所へ向かった。
駅前に凪子が立っていると、信也の車がスーッと前に停まった。
信也はドイツの高級外車に乗っている。
凪子は何度かこの車に乗せて貰った事があるが、乗り心地は抜群だ。
「迎えに来てくれてありがとう」
「どういたしまして。じゃあ知り合いの不動産屋へ行くか」
信也はそう言って車をスタートさせた。
信也は今日は白のパンツにデニムシャツを着ている。
信也の場合きちんとした格好をするとセクシーさが一層増すが、こうしたカジュアルな服を着てもナチュラルな男の色気が滲み
出て素敵だ。
結局のところイケメンというのは何を着ても絵になるようだ。
爽やかなシェービングローションの香りが車内に漂っている。
凪子はこのさりげない香りが好きだった。
「で、住む場所はどの辺りがいいんだ?」
「会社から近ければどこでもいいわ。とにかく早く一人になって仕事に打ち込みたいのよ」
「ハハッ、凪子らしいな。じゃあ俺の事務所の近くなんかはどう?」
「あの辺りは会社からも近いし便利だから憧れるけれど、家賃が高くて無理よ。一人になったらあまり家賃の高い所には住めな
いわ」
「安かったら住む?」
「南青山で安い所って言ったら、事故物件ぐらいしかないでしょう?」
凪子は冗談じゃないわという顔をして笑った。
「うちの隣のマンションは?」
「えっ? あそこは無理よ。かなりするでしょう?」
「1LDK最上階」
「家賃は?」
「相場は24万…」
「24万なんて払えっこないわ」
「……の所を、8万円でいいよ!」
「えっ、三分の一? 安っ…でも何で?」
「去年俺が買ったんだ。徹夜組スタッフの宿泊施設にでもしようと思ってさ」
「え、そうなの? でもだったら使うでしょう?」
「いや…うちの事務所はホワイトだから必要なかったよ」
信也はそう言って笑った。
凪子は信じられない思いでいっぱいだった。
南青山は、ずっと住みたいと思っていた憧れの街だが、凪子一人の給料では絶対に住めないと諦めていた。
しかし信也は8万円で貸してくれると言った。
「本当に8万円でいいの?」
「ああ。誰か住んでくれないと部屋も傷むしな」
「だったら、私じゃなくて普通に賃貸で貸し出せばいいじゃない」
「別に数十万の為に無理して貸す必要もないさ。それに俺は人助けが趣味なんだ。凪子には色々と世話になっているしな」
信也はそう言うと、凪子の頭を手のひらでポンポンと撫でる。
「ありがとう、信也…」
凪子は思わず目頭が熱くなってくる。
弱っている時に優しくされると心にグッときてしまう。
「じゃあ今から見に行くか?」
「うん! 行きたい!」
「じゃあ戻るとしますか」
信也はそう言うと、ウィンカーを出して車を方向転換させた。
凪子はワクワクしていた。漸く自分一人の城が見つかるのだ。
一人で暮らせば、もう嫌な思いをしなくて済むのだ。
そして、浮気旦那の世話もしなくていい。
引っ越したら仕事に専念できる。
そして、良輔の世話にかまけていた時間を全て自分の為に使えるのだ。
そう思っただけで、心が躍る。
やがて車は南青山に着いた。
信也は自宅の駐車場に車を停めると車を降りて、凪子と一緒に隣のマンションへ向かった。
入口で管理人に軽く会釈をしてからエレベーターへ向かう。
そして凪子に言った。
「ここの4階だ。最上階角部屋だよ」
「最高ね」
凪子は、想像以上にマンションの造りが豪華だったので胸を躍らせていた。
信也は相場は24万円くらいだと言っていたが、
凪子の目から見たら、軽く30万は超えているのではないだろうか?
そこへたった8万円で住めるのだ。
テンションが上がらないはずがない。
エレベーターで4階へ上がると、
信也は一番奥の部屋の鍵を開け、凪子を先に入れた。
1LDKと聞いていたから、あまり広さは期待はしていなかったがLDKだけで20畳近くありそうだ。
「広いわ」
「リビングがこれだけの広さあるといいだろう?」
キッチンも対面式で使いやすそうだ。
キッチンは真っ白で清潔感に溢れている。フルリフォームされているのか全て新しい。
「こっちが寝室だ」
凪子は信也についていく。
そこは8畳ほどの部屋だったが、一人には充分過ぎる広さだった。
クローゼットもついているので揃える家具は最低限で済みそうだ。
再びリビングへ戻ると、
「ベランダに出てみてもいい?」
「もちろん」
ベランダには二人分のサンダルが置かれていたので、信也も凪子と一緒に外へ出る。
向かいには、ちょうど信也の事務所兼自宅の建物があった。4~5メートルしか離れていない。
そして4階が信也の自宅なので、この部屋のベランダはちょうど信也の自宅のテラスと向かい合う形になっていた。
「信也とベランダ越しに話せそうね」
「だな。なんか困った事があったらすぐ呼べ」
そこで凪子は心からの感謝を込めて言った。
「信也、ありがとう。本当に感謝しているわ…」
「ん…困った時はお互い様だからな」
信也はそう言うと、再び凪子の頭をポンポンと撫でた。