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「さてと、2時間目はグループワークをしてもらいます!」
『グループ…』
少し気の引けた声に、私はどうしても落ち込んでしまう。前向きな姿勢にさせてあげることできず、不甲斐ないのだ。
「8人いるから〜、そうだね。沙良ちゃん、藍琉ちゃん、武流くん、茉子ちゃんが1グループ」
「良平くん、伊吹ちゃん、希空さん、夢奈ちゃんで2グループってことで!」
反応に困っているのか、視線が斜めを向いてさまよっている。
「まぁ最初だからね〜…、もしもここでお店を開くなら、どんなお店がいいかな」
「雑貨屋さん!絶たい…に、イイ…トオモウ…」
急に恥ずかしくなったのか、段々と声を小さくする沙良ちゃん。最初は声も出なかったのに、早速変化があって私は少し安心した。
「うんうん。それを出して、話し合ってみて」
「話し合うだけですか?」
良平くんが手を挙げて質問する。きっと沙良ちゃんを見て安心したのだろう。
「うん。お店はやらないけど、これはグループワークだからねぇ」
私の言葉を聞いて、全員が眉間にしわを寄せていた。やっぱり不安なものは不安なのだろう。急に話せと言われてもやりにくいだろうし 。でも、それで他のことをしてもフリースクールの意味がない。成長できるようにするのが私の勤めだ。
「じゃあ始めよう!」
約10分が経って、それぞれのグループにリーダー的存在が生まれた。
「じゃあ、売買ができる雑貨屋さんって感じでいいかな?」
「うん、いいと思う」
沙良ちゃんの言葉に全員が首を盾に振る。1グループは沙良ちゃんが話を進めていた。最初はどんどん声が小さくなっていたけど、元々はお喋りが好きな子なのだ。話を進行する事も得意なのだろう。
「じゃあ、本屋さんと飲食店だね。買った本をゆっくり休ん読めるカフェって人気が出そうだし」
「良平の発想ってまじ天才だよな!」
「そうでもないと思うけど」
謙遜しながら意見をまとめていく良平くん。考え方が柔軟で、話が得意なわけではないだろうけど自然とまとめ役にまわっている。
「うんうん。いいねぇ」
「ねぇ先生。先生はもしもお店を開くならどんなお店を開く?」
「えぇ?」
予想外の質問におどろく。まさか聞いてくるとは思わなかった。
「お店…ではないけど、自由に使える施設を開きたいねぇ」
「つまり、ここみたいな?」
「うーん…もっと対象が広い範囲で」
私の言葉にあまりピンと来ていないのか、全員が首を傾げていた。その姿があまりにも可愛くて、つい表情がほころぶ。
「みんなと一緒にいれる、そんな場所を開きたいなぁ」
「もう開いてるじゃん」
「たしかに」
武流くんの鋭いツッコミにハッとする。
私は夢を叶えたのだ
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