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「じゃあ今日はここまでにして、お昼ご飯にしようか。どこで食べても構わないよ。食べ終わったら自由にしてねー」
そう言い残し、私は午前中のみんなの様子を記録するために2階へ上がる。
学校へ報告するためと、保護者さんへの近況説明のために記録をする。各々のノートに日付としたことを書いていく。
沙良ちゃん。勉強の時には熱心に解いていた。集中力は早く切れてしまうけど、その分深く集中できることに気づいた。グループワークでは話を進行してくれた。
武流くん。喋ることが苦手で、あまり勉強の質問にも来なかった。グループワークではずっと聞く側になっていたけど、だんだん慣れてきたのか、ツッコミを入れるようになった。大きな成長だ。
藍琉ちゃん。元々仲の良い茉子ちゃんと共に行動することが多かった。それは本人に安心感を与えるけど、いずれ共依存になりかねない。上手い具合で独立できるようにしよう。
茉子ちゃん。藍琉ちゃんと同様、共依存にならないようにする。でも、本人の意思が少し弱く、気を使っている場面が多く見れた。会話を多くして、自分の意見をしっかりと持てるようにすることも大切。
良平くん。柔軟な考え方で、自然とまとめ役になってくれた。勉強が得意と聞いていたから、教える側にまわってくれることができるかもしれない。
伊吹ちゃん。斬新な考え方で良平くんと良いコンビを組んでいた。勉強はあまり得意では無さそうで、集中力が続かず、浅いことも課題。
希空さん。勉強は黙々として、グループワークは聞く側に徹していた。初めての環境であまり声が出ないのだろうけど、いずれ慣れるようになるといいな。
夢菜ちゃん。勉強はあまり得意ではなくて、教科書をペラペラめくっていただけだけど、何もしないよりはマシだ。ここから成長したら良い。グループワークは良平くんと伊吹ちゃんの意見にずっと賛成している様子を見せていた。
「よし、こんな感じでいいかな」
下に降りると、ほとんどの人が食べ終わっていて、休憩時間も残り15分となった。部屋を見渡すと、ふと、伊吹ちゃんが居ないことに気づく。辺りを見回してもいないから、個室に行ったらしい。
「あ、先生。午後は何するの?」
縁側で日向ぼっこをしている沙良ちゃんが聞いてくる。それにつられて、他の子達もこっちを見た。
「食後の運動ってことで、畑を耕します!」
『畑?』
全員の声が揃う。とっても可愛くて、指を立てて少しおどけてみせる。
「んっふふ〜。夏に向けて、ふかふかにするんだ〜」
「力仕事ですよね…」
茉子ちゃんが目線を落とす。あまり運動は好きではないみたいだ。
「ひたすら雑草を抜くだけだよ。もしかしたら今日はそれだけで終わっちゃうかも」
『えっ!?』
またまた全員の声がそろって、堪えきれずに笑ってしまった。そして、それにつられてみんなも笑う。だけど、その中に伊吹ちゃんはいなかった。
新しい問題が直面しようとしていた
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