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私は個人で絵のモデルをやっていて、今日は文化施設で行われる絵画教室に仕事できている。なんでも、ここには子どもが職業体験できる施設があるらしい。私も小学生のときに、似たようなのに行ったことがあるなぁ。でも、きっとヌードモデルの職業体験は……ないだろうなぁ。
そんなことを思いながら、受付のお姉さんと話す。
「では、こちらへどうぞ~」
お姉さんの案内で、私は体験施設とは別の部屋に行く。そこは美術室のような場所で、イーゼルがいくつも並べられていた。その奥には、大きなキャンバスがかけられている。そこには、裸の女性の絵が描かれている。
「あちらの部屋で着替えてもらって、この部屋に来てくださいね」
「はい……」
なんだか、緊張するなぁ……。私は渡された紙袋を持って、指定された場所へ行く。そして服を脱いで、紙袋に入っていたバスタオルを身にまとった。これで準備完了だ。さっきまでいた部屋のほうに戻る。
「よろしくおねがいします」
教室には男の人が何人か出てきた。みんな大学生くらいかな?
「じゃあ、こっちに来てポーズをとってくれる?」
「わかりました」
指示されたとおりの場所に立つ。絵画教室は順調に終わった。うん、そういつもいつもトラブルばかり起きてたまるか。
「おつかれさまでした~」
私はあいさつをすると、服を着替るため、先ほどの部屋に戻った。ん、あれれ?? なんかおかしいぞ……。中に入ろうとしても、ドアが開かない! 鍵がかかっちゃたのかなぁ? 困ったぞ、私は今、バスタオルが一枚だけ、あとは素っ裸だ。こんなところ、誰かに見られたら恥ずかしすぎるよぉ……。
しかし、いくらドアノブを動かしてもびくともしない。うーん、困った。受付の人に言えばいいのだろうか。私は廊下に出てみる。
「あっ、あのぅ……」
声をかけてみたものの、誰もいないようだ。これは本格的にまずいかもしれない。このままだと風邪ひいちゃうし、それに、この格好はちょっと露出度高すぎだし……。しばらく待ってみたけれど、やっぱり人が来る気配はない。仕方ない、誰かに見つかったら恥ずかしいけど、受付まで行くしかないか……。私は覚悟を決めて、受付のある部屋へと戻ることにした。なるべく音を立てないようにそっと歩く。(続く)