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よしよし、なんとか誰にも見つからずに行けそうだ。私は安心して歩を進める。だが、途中で運悪く人と出くわしてしまった。
それは、体験施設に遊びに来た、子ども達の集団だった。
「わぁ、おねえちゃん、どうして裸なんですか?」
えぇっ!? まさかの展開だ。一番見つかりたくない子たちに見つかってしまった。いや、でも、まだ子どもたちでよかったのかな?
「ちょ、ちょっと事情があって……」
私は顔を真っ赤にして言う。男の子たちは興味津々といった感じで私の体を見つめてくる。
「ふーん、そうなんだぁ。ねぇねぇ、もっとよく見せて!」
「えぇっ!?」
「僕たち、もっと近くで見てみたいんだけどダメ?」
「うぅ……、わかったよ」
ここで大騒ぎされて、もっと人が集まっても困る。私はしぶしぶ承諾する。子ども達はキャッキャとはしゃぎながら近づいてくる。
「お姉さん、すごい綺麗な肌だね」
「ほんとだぁ。つるつるすべすべだね」
「ありがとう……」
私はできるだけ体を隠そうとしながら答える。
「お姉さんのおっぱい大きいよね」
「そ、そうかな? あんまり意識したことなかったからわからないけど……」
「触っても大丈夫かな?」
「さすがにそれは無理だよぉ」
「ちぇ~」
子ども達が私の周りをぐるりと取り囲む。私は少しでも身体を隠したいと思って、両手を胸の前でクロスさせて、前を隠すようなポーズをとる。
「お姉さん、手どけてみてよ」
「そんなことできないよぉ」
そんなやりとりをしていたら、その中の一人の子が、突然こういった。
「わかった、お姉さんはお客さん役の人だ。だから裸なんでしょ? 汚れてもいいように。それなら納得できるもん」
「うーん、そういうわけじゃないんだけど……。でも、まあ、そんなとこかな」
「じゃあ、みんなでお仕事しようよ。お姉さんはお客さん役ね」
「うん、いいよ」
こうして、なぜか即興劇が始まった。私はお客さん役として、子どもたちに付きあうことにした。(続く)