朝日が、霧を溶かすように昇っていく。“忘れの境”に差し込む光は、どこか懐かしく、あたたかかった。
et(私)は、祠の前に立っていた。
その隣には──mnrがいた。
「……本当に、戻ってきたんだね」
etがぽつりと呟く。
「お前が呼んでくれたからな」
mnrは、少し照れくさそうに笑った。
「……みんなに、会ってくれる?」
「もちろん。あいつら、変わってねぇかな」
「etさん!」
noさんが駆け寄ってきた。
「etちゃん、無事でよかった〜!」
rnが涙ぐみながら抱きつく。
「おかえり」
ya君が、そっと微笑む。
「……あれ?」
mf君が、etの隣に立つ人物を見て、目を見開いた。
「お前……誰だ?」
mnrは、ふっと笑った。
「久しぶりだな、mf。相変わらず、堅い顔してる」
「まさか……お前が……」
「そうだよ。mnrだ。
etの兄で、元・記録守の見習い。
そして──“白夜の霧禍”の中心にいた、
バカな奴さ」
「……っ」
mf君は言葉を失った。
「おいおい、どういうことだよ」
jpが眉をひそめる。
「mnrって……あの、伝承に出てくる……?」
ttnが戸惑いながら尋ねる。
「そう。あの夜、霧を止めるために、
自分を犠牲にしたって言われてる“少年”だよ」
mf君が答える。
「でも、なんで今……?」
「etが、思い出してくれたからだよ」
mnrが言った。
「霧の封印は、記憶とつながってる。
俺は、etの記憶の中に閉じ込められて
た。
でも、もう大丈夫だ。
全部、思い出したからな」
「……おかえり、mnr」
noさんが静かに頭を下げた。
「ただいま、no。
お前の声、ずっと聞こえてたよ。
相変わらず、優しいな」
「うわ、なんか照れる……」
noさんが顔を赤らめる。
「mnr〜!初めましてだけど、なんか懐かしい気がする〜!」
dnがぴょんぴょん跳ねながら手を振る。
「お前は……dnか。ちっちゃかったのに、もうこんなに……」
mnrが目を細める。
「ふふ、mnrくん、etちゃんにそっくりだね」
rnがにっこり笑う。
「そっちこそ、ずいぶん大きくなったな、rn。
……etのこと、ありがとうな」
「ううん、etちゃんは、わたしの大事な友達だから」
「おい、感動の再会モードに入ってるとこ悪いけどよ」
jpが腕を組んで言った。
「これからどうするんだ?
霧の封印は解けちまったんだろ?」
「そうだな」
mnrが空を見上げる。
「でも、霧はもう暴れない。
etが記憶を取り戻したことで、霧は“眠り”についた。 もう、誰かを傷つけることはない」
「じゃあ……これで、終わり?」
ya君が尋ねる。
「いや、始まりだよ」
mnrが静かに言った。
「霧は、記憶を映す鏡だ。
これからは、俺たちがそれをどう使うかにかかってる」
etは、そっとmnrの手を握った。
「私、もう逃げない。
この村の記憶も、霧のことも、全部受け止める。
そして、未来を選ぶ。
みんなと一緒に」
「……いい目をしてるな」
mnrが微笑んだ。
「じゃあ、行こうぜ。
霧の向こうにある、未来へ」
朝日が、霧を照らしていた。
その光の中で、etたちは歩き出した。






