プロローグ
僕は昔っから身体が弱く、病院で過ごすのが当たり前だった。
けれども僕もやっぱり子供。
必ずしも好奇心は産まれる物で、病院を出たいと思い始めた。
とある夜。僕は病院からすり抜けて、
広い広い、外の世界へ飛び出した。
そこまでは良かった。
僕は毎日ベットの上で生活していた。
そんな身体が急に運動し始めたのだ。
やはり僕は、道端で倒れてしまった。
遠のいていく意識の中、覚えていたのは
1人の男性の顔だった
第1章 ここはどこ
…あかるい。あたたかい。
ここはどこ?
…確か、病院から逃げ出して━━
どうしよう。そこからは全く覚えていない。
とにかく、まずは周りを確認しなきゃ。
そう思い、僕はいつもより数倍重く感じた瞼をこじ開けた。
(まぶた)
「!!起きた!?」
ここはどこ?誰?今僕は何をしていた?
「だ、誰ですか?」
恐る恐る聞いてみた。
「夜散歩してたら、病院の近くで君が倒れていたからさ。」
ヘラヘラと笑いながら話す男性。
まずは名前を教えてくれよ。
「すみません、貴方お名前は?」
なんだか職務質問みたいで楽しい気がする。
「あぁ、ごめんね。」
「僕の名前は━━━」
「ごめんね、やっぱり知らない人に名乗るのは…おじさんって呼んでもらえる?」
僕「え、おじさんと言うよりかは、お兄さんじゃないですか?」
自然と口が開いていた。僕の悪い癖だ。
おじさん「はは、そう見えるかい?嬉しいなぁ。」
僕「おじさん…は、何歳ですか?」
おじさん「それは秘密だよ。」
僕「そうですか。」
おじさんと名乗るその人は、かなり若く見えた。
おじさん「君、その洋服ってあの病院の服だよね?」
僕「あ…えっとその、」
おじさん「もしかして、抜け出したとか?」
きっと笑われるんだろうな。
そう思いながら赤くなった顔で頷く。
おじ「…よく頑張ったね。」
僕「え?」
おじ「逃げ出すまでに、沢山苦労して来たんでしょ?」
おじ「それに、そんなこと勇気がなくて僕には出来ないから。」
そう言うおじさんの顔はとても優しかった。
第1章ここはどこ 終
コメント
3件
お気ずきだろうか…おじさんがいつからかおじになっていることを…!
めろちゃん、物語書くの神すぎ