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それからはこの孤児院てとこに通うようになった。行くあてのない子どもたちの中でなら、居てもいい気がしたから。
ここでは遊びもすれば仕事も子どもがするらしい。
畑で野菜を育てていたり、羊の毛を刈り取って糸にしたり、ニワトリの卵を集めていたりと色々やってるようで、働かざる者食うべからずだとか言っていた。
いまはダリルにいちゃんのお金でこうやってブラブラしてる俺はちょっとバツが悪い気持ちになった。
「ん? 孤児院に住みたい? 何言ってんだ、お前の父親も母親も生きてるぞ」
ダリルにいちゃんに相談したらそんな風に言われた。
「そりゃそうだけど、何もすることないのも退屈だからさ……」
「まあ、そうしたいのなら構わん。話はつけておく」
次の日から俺は孤児院に転がり込んだ。親のいる俺をここの子たちは迎え入れてくれた。どういうわけか、たまにそんな子もいるそうだ。
ここでの俺の仕事は雑草抜きと薪割りとなった。雑草抜きでは年下の子の面倒を。薪割りは鉱夫経験からやってみせたら決定した。働くっていいな。父ちゃんは元気に仕事できてるかな?
そんなある日、雑草抜きをしながら年下の子の世話を焼いていると、俺と同じくらいの背丈の狐獣人の子どもがやってきた。
「君がやりたいことって、これだったの? 君があの時心からこい願った事はこれだったの?」
後ろ手に腰を少し曲げて下から見上げる形で、ピンク色のその子は俺の顔を覗き込んでみつめていた。