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悩むアタシをよそに、女の子は美術室の扉を開けた。
「みんな、モデルさんを連れてきたよ~」
女の子はそう声をかけながら美術室に入っていった。アタシも黙ってついていく。部屋の中には、男女数人の小学生がいた。
「お、来た来た。じゃあ、早速準備しよっか」
「は~い」
そう言うと、みんなは画材の準備を始めた。けど、パッと見たところ、子ども達しかいない。
「あの……、先生っていないの?」
「え? ああ、美術部の先生なら、今日は出張です」
「あ、そう……なんだ」
子どもだけなのにモデルさんを呼んでいるの? なんか、不思議な感じ。けど、子ども達だけならうまくごまかせるかな? といっても、本物のモデルさんが来たらまずいよね。どうしよう……
「あの、アタシ今日初めてこの学校に来たんだけど、いつも先生なしでやっているの?」
「あ、いえ、モデルさんを呼ぶのが今日初めてなんです。先生も来る予定だったんですけど、急な出張がはいったらしくて、私たちだけでやっといてって」
「そうなんだ」
それなら、なんとかごまかせそう。問題は本物のモデルさんだけだよね。なんとか、そっちが来るまでに逃げないと……。
「じゃあ、まず立ってください」
悩むアタシをよそに、女の子はポーズの指定を始めた。アタシは言われるままにポーズをとる。
「あ~、違う違う、もっと足を開いて」
「え? こ、こんな感じ?」
アタシは女の子の言うとおりにポーズをとる。けど、なんかこれ……。ちょっと……恥ずかしいかも。
「そうそう、そんな感じです」
女の子も満足そうだ。でも、これ、ちょっと……。ここに来るまでにアタシの服はボロボロになっている。ここの子たちは特に疑問をもってないようだけど、そういう衣装だと思われたのかな? それはともかく、要求されたポーズをとると、アタシのパンツが見えてしまう。そんな状態でポーズをとるって……ちょっと恥ずかしい……、けど、この子達は平気な顔で要求してくる。
「次は座ってください」
女の子は次のポーズを要求する。う~ん、どうしよう……とまどうアタシにお構いなしでポーズの要求が続く。そうやって今日画くポーズを探しているみたいだった。やがて子ども達で相談を始めた。
「う~ん、どうしよう? なんか難しいんだよね」
「衣装が、ひらひらして、画きにくいかも?」
「あ、そういや、今日ってさ、ヌードデッサンじゃなかったっけ?」
「あ、そうだったね」
ヌードデッサン? アタシはぎょっとする。そそれはちょっとまずいよ!
「あ~、あの……、ヌードはちょっと……」
アタシはあわてて言った。けど女の子達は平然としている。
「え? なんでですか?」
「いや……その……」
「とりあえず、服脱いでください」
「いや、だから……」
アタシは断ろうとするけど、女の子達は平然としている。
「ヌードデッサンなんだから、服着てちゃおかしいですよ」
「いや……その……でも……」
「ほら、早く脱いでください」
これ以上抵抗したら怪しまれるかもしれない……。しかたない、アタシは服を脱ぐことにした。(続く)