テラーノベル
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テレビ東都の第1スタジオ。生放送の大型音楽特番『MUSIC REVOLUTION』の熱気が、カメラの赤ランプとともに全国へ放たれていた。
セットの袖(下手)には、黄金のオーラを纏ったB小町——星野ルビー、有馬かな、MEMちょの3人。
そして向かいの袖(上手)には、黒岩Pの思惑どおり完全体となった**C小町**の4人。
センターの私(榊美裕)、静かなカリスマの宵闇灯、光の愛を抱く向井沙也加、そして……C小町の『劇薬』として加入した神城玲奈。
「……ねぇ、美裕ちゃん」
衣装の袖を引っ張られ、振り返る。黒髪ロングの玲奈が、光の失われた瞳で私をじっと見つめていた。その手は微かに震えている。
「客席、すごい数の『光』だよ……。私、あそこに立つと……また全部壊したくなっちゃうかも」
「大丈夫だよ、玲奈ちゃん」
私は玲奈の冷たい手をぎゅっと握り返した。
「壊すのは客席じゃない。私たちが今日ここでぶち壊すのは……『C小町はB小町の二番煎じ』っていう世間の決まりきった評価だから」
玲奈は一瞬だけ目を見開き、それから妖しく口元を歪めた。
「……うん。美裕ちゃんがそう言うなら、私……最高の狂気(パフォーマンス)を見せるね」
横で腕を組んでいた灯が「フン、余計な心配。私が完璧なフォーメーションでアンタの狂気すら枠に収めてあげるわよ」とフッと笑い、沙也加も「ルビー様の前ですけど……今日だけは絶対に譲りません!」と意気込んでいる。
その時、司会者の声がスタジオに響き渡った。
『さあ! 続いてのスペシャルコラボステージは……今最も勢いに乗るトップアイドル「B小町」! そして、地上波初お披露目の4人体制で挑む「C小町」の直接対決です!』
観客席から地鳴りのような歓声が上がる。
スタジオ中央へ歩み出る両グループ。
ルビーと目が合った。ルビーの瞳には、天性のアイドルの輝きが宿っている。
「美裕ちゃん! 新しいメンバーが入ったんだね! すっごい強そうなオーラ……!」
「ルビーさん。私たちの新しいC小町、目に焼き付けていってください」
有馬かなが私と玲奈を交互に見つめ、眉をひそめる。
「……チッ、また強烈なのを引き込んできたわね。でも、生放送でボロを出したらタダじゃおかないわよ!」
「有馬さん、ご指導はステージの上で受けて立ちます!」
**(——カウントダウンがゼロを刻む)**
曲は、B小町とC小町のメドレー&コラボ楽曲。
先陣を切ったのはB小町だ。『サインはB』の眩しすぎるほどの多幸感と王道の輝きが、スタジオ全体をピンク色の多幸感で満たしていく。有馬かなの隙のない歌唱、MEMちょの煽り、そしてルビーの圧倒的太陽感。
《やっぱりB小町強すぎる!!》
《本物の輝きだわこれ……!》
客席がB小町のペースに呑まれかけた、その瞬間——
**重低音のノイズが、ポップなイントロを強引に引き裂いた。**
高梨冴子がこの日のために4人体制用に再構築した『変態的(ルビ:キラー)な純愛 -Re:birth-』の重厚なビート。
照明が漆黒と深紅へ切り替わり、C小町の4人が陣を組む。
「——咲き誇れ、泥に塗れた私たちの愛!」
私のハイトーンボイスが突き抜け、観客の呼吸が止まる。
続いて、灯の冷徹で美しいダンスが空間を切り裂き、沙也加が完璧なアイドルスマイルの裏にある圧倒的な熱量で視線を奪う。
そして——サビの直前。
センターの私の後ろから、音もなく躍り出たのは**神城玲奈**だった。
カメラを射抜く、底なしの暗闇を宿した瞳。
地下アイドルの惨劇と狂気を生き抜いてきた者だけが持つ、生々しくも美しすぎる悲壮な笑み。
坂谷雅矢が仕込んだ、まるで魂を削り出すような歪なソロステップ。
「……あ」
客席の誰かが漏らした声が、マイク越しに届くほどスタジオが静まり返った。
地下の闇(玲奈)が、王道の光(B小町)とぶつかり合い、私の持つ『性別を超えた境界の光』によって昇華されていく。
光と闇、静と動、愛と狂気。4つの個性が衝突し合い、ひとつの巨大な熱波となって画面の向こうへと爆発した。
《なにあの子!? 4人目ヤバすぎるだろ!!》
《ゾクゾクした……可愛いのに怖い!!》
《B小町の王道とC小町の狂気の対比が神がかってる》
《C小町、完全に化けたわ……!》
曲のラスト、B小町とC小町が交差する決めポーズ。
隣に立ったルビーが、荒い息を吐きながら私と玲奈を交互に見つめ、心底楽しそうに目を輝かせていた。
「すごい……! すごいよC小町……っ! 私、ゾクゾクが止まらない……!」
有馬かなも汗を拭いながら、悔しそうに、けれど認めざるを得ないというように口元を歪めている。
「……合格よ、クソ生意気な後輩ども」
生放送の赤ランプが消えた瞬間、スタジオ全体から雷鳴のような拍手が巻き起こった。
汗に濡れた前髪を払いながら、私は客席を見渡した。
前世で見た『推しの子』の世界。
そこで指をくわえて見ていただけの自分が、今、B小町と同じステージで、最高の仲間たちとともに新しい時代の扉をこじ開けたのだ。
「見ましたか、世界……。これが、私たちの『C小町』です!」
私の心の中の叫びに応えるように、灯、沙也加、そして玲奈が、誇らしげに胸を張ってスポットライトを浴びていた。
コメント
1件
あおいです🌷読み終えました。 第14話、めちゃくちゃ熱かったです…!B小町との直接対決、しかも生放送のステージでC小町が完全体を披露する瞬間が最高でした。特に神城玲奈——地下の闇を背負った彼女が、美裕ちゃんの「壊すのは客席じゃない」という言葉で覚醒して、光と闇がぶつかり合うあの描写、ゾクゾクしました。4人の個性がぶつかって一つの熱波になる感覚、読んでいて鳥肌が立ちましたよ。ルビーが「ゾクゾクが止まらない」って言うのも納得。C小町、完全に化けましたね…!
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#【推しの子】
#SAKAMOTODAYS
おとうふ 紹介文読んで🙇
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りな
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