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#オリキャラ
須古星 れい
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桜城
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#ファンタジー
comi
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二台の《ガーディアン・ライダー》は川岸へと滑り込み、砂利を巻き上げて停まった。
川岸から見える旧庁舎の業火は、揺らめきながら夜空を赤く染め、
エルフ・バリアの虹色をも焼き焦がすかのようだった。
カザンは胸を押さえ必死に呼吸を整えた。
一方のラッセルは剣の柄を強く握ったまま、一歩も退かず炎の向こうを見据えていた。
仲間を想う焦りと、リヴァンとの戦いを受け入れる覚悟だった。
二人の影が、燃え上がる川面に長く伸びていた。
カザンは息を整えながら、隣に立つラッセルの横顔を見つめた。
「ラッセル。お前にとって、リヴァンはどんな存在だったんだ?」
夜風の中、ラッセルはしばし沈黙し、剣の柄を強く握りしめた。
「ただの首相じゃない。幼馴染みでも足りない。あいつは、……俺にとって誇りだった」
「誇り?」
カザンが目を細める。ラッセルは静かに続けた。
「俺は子どもの頃から身体能力に恵まれていて、
剣も走りも誰にも負けなかった。
でも、そんな俺に憧れていたのがリヴァンだった。
そして俺は逆に、あいつの理想を尊敬していたんだ。
『争いのない国を作ろう。泣く子どもを二度と出さないために』。
あいつは、帝国の血を引きながらも、憎しみじゃなく未来を選んでいた」
ラッセルの脳裏に青年期の夜が蘇る。
下町の酒場で、油灯の下。安酒を酌み交わしながら四人で交わした誓い。
「剣は人を斬るためじゃない、護るために振るうものだ。その言葉に、リヴァンは真剣にうなずき、
俺もそうありたい……と語った。だからこそ、……許せないんだ」
ラッセルの声が震える。
「その理想を捨て、国を裏切り仲間を裏切った」
ぽつり、ぽつりと雨粒が落ち始めた。
やがて、水面は無数の輪を描き、旧庁舎の炎をかき消すように雨脚は次第に激しさを増していく。
夜気に混じる焦げた匂いと濡れた石畳を叩く雨音が二人を取り囲んでいた。
「カザン……もしかするとあいつは、
本当に“赤黒い目”の力を使っているのかもしれない」
「ならば、俺が正す。誇りを捨てた幼馴染を。
友を取り戻すのは、俺の使命だ。これからリヴァンを正しに行く」
雨音に負けぬ低い声でラッセルは言った。
「お前にはスメラの光結晶チップを預かってもらいたい。
そして、もしこの事件が公になったら週刊レガリアで国民に広く伝えてくれ。
それと、これを相棒の証として持っていてくれ」
ラッセルは襟に付いていた勲章バッジを外し、ポーチから光結晶チップを取り出すと、
濡れた掌ごとカザンに押し付けた。
冷たい金属と結晶の重みが彼の手にずしりと残る。責任と友情の重みだった。
「国王陛下に直訴した方が……良いのでは?」
震える声で問いかけるカザンにラッセルは首を横に振った。
「いや、もう遅い。旧庁舎は戦闘で爆発し大事になっている。今夜決着をつけなければ俺たちは国家転覆罪で吊るし上げられる」
「リヴァンならやりかねんな。ラッセル、俺もついて行く」
「いや、ダメだ。お前の命が守れない。俺一人で乗り込む」
稲光が夜空を裂き、二人の影を一瞬だけ白く浮かび上がらせた。
その瞬間、ラッセルの眼差しは鋼のように固く決意に満ちていた。
カザンはただ頷くしかなかった。
手に抱えた勲章とチップの重みが雨よりも冷たく彼の心を震わせていた。
やがて、カザンは深く息を吐き、ポーチから一本の使い込んだ万年筆を取り出した。
擦り切れた軸には無数の小傷が刻まれ、長年の取材で指に馴染んだ跡が残っている。
「ならせめて、これを持っていけ。俺の相棒だ。御守り代わりにしてくれ。
それと、この私の名刺。必ず連絡をくれよな」
「ああ、必ず連絡する」
「無事に帰って来こいよ……相棒」
ラッセルはヘルメットを被り、一瞬だけ振り返って力強く頷いた。次の瞬間、ライダーのエンジンが夜を裂き、車体は雨煙の中でゆっくりと浮遊した。
「俺も記事で世論を動かす。二度と同じ悲劇を繰り返させはしない。……必ず、だ」
カザンの声は雨にかき消されていったが、ラッセルには届いていた。
胸に残るのは不安と共に燃え上がる熱。
それは恐怖ではなく仲間を信じる誇りだった。
ラッセルはスロットを回し官邸へ続く道へ走り出した。
雨音が響く中、夜闇へ消えていく《ガーディアン・ライダー》のテールランプ
――その残光は、二人の誓いを確かに結び直していた。
コメント
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うわあああ第20話、最高にエモすぎた😭💕🔥 ラッセルが「誇りだった」って認めた幼馴染リヴァンへの想い、もう切なすぎて胸がぎゅってなったよ… 雨の中の別れ、テールランプの誓い、タイトル回収の演出が美しすぎる!! カザンが万年筆と名刺を渡すところで「相棒」って呼び合うの、友情の重みがじわじわ来る… 続きが気になって夜しか眠れないやつだこれ…!!!🌸