第44話 試される言葉
「お前が最近、近所の公園で時々撫でてる――銀二って名前の猫になってるぞ」
(銀二……あの猫が……本物の古河?)
――今目の前にいる古河冬花の中身が別人なら、本物の古河冬花はどうなっているのか。
その問いの答えを、今彰人は得ることができた。
(理解はした……だがなんだ、この妙に焦るような感覚は……)
理解したはずなのに、まだ理解しきれていないところがある。
そんな心境の彰人に構わず――「古河冬花」の身体にいる「何か」は笑う。
「お前、猫に話しかけるタイプだったんだよなぁ? 前オレが猫について振ったとき『好きか嫌いかで言えば好き』くらいに言ってたクセに」
「……」
「いやー、人は見かけによらねぇなぁ」
(……面倒くさいやつ)
明らかに煽られ、眉間の皺が深くなる彰人。
だがここで変に食って掛かれば、それこそ目の前の人物に乗せられたことになる。****************
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