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____自分と同じ、大量の獣人が歩くのを見ながらため息をつく。
「はぁ、どうしよ……リュウトさん」
私は奴隷になる前の国に来ていた。
「後から合流するって言っても少しかかりそうですし」
アバレー王国に入国するとき獣人と人間では手続きが違い時間がかかる。
つまり、リュウトさんのパーティーの獣人である私はすぐに許可が出て、先に転移する事になったと言うことだ。
「悩んでいても仕方ありません、先に来たんだから出来る事をやっときますかね、宿の確保と状況の確認……そして、私の居た奴隷商の調査」
アバレー王国に来た理由。
それは妹ちゃん……アオイちゃんがここに居るという情報をつかんだのだ。
私とリュウトさん、そして新しく加わったアンナさんは妹ちゃんに面識がある。
私がパーティーになった当初の目的も妹ちゃんを探すのが目標だと聞いていた………………探してる理由は助かるとかそう言うのじゃなく……むぅ。
「まぁ、妹ちゃんなら仕方ないけど……」
リュウトさんは妹ちゃんの事が好きみたいだ。
それはリュウトさんの事が好きな私にとって複雑な気持ち……でも妹ちゃんも好きだし、あの可愛さに勝てる気がしない……
「はぁ……複雑……」
奴隷の私がこんな感情を持つのも悪いんだろうけど……リュウトさんが恋した相手が奴隷だから自分も手が届くと____いや、妹ちゃん相手なら無理か
「はぁ……」
いけないいけない!こんな事考えてても仕方ない!
宿を探さないと!
「えーっと、たしかこの辺に__」
ギルドで聞いたことを手掛かりに歩いていると__
「おいおい、いいだろ?ちょっとだけだから」
「こ、困ります」
そんなやり取りが聞こえてきた。
獣人達のほとんどは人間より耳が良く聞こえる。
だけど、聞こえていても助けに行くのとは話が別なのは人間と同じだ。
リュウトさんはこう言うのを聞くとすぐに現場に向かう。
何故かと聞くとこう答えるのだ……「困っている人を助けるのはテンプレだから」と__
「まったく……仕方ないですね」
急いで向かうと路地裏に男の獣人3人と____あれ???
「ひめちゃん!?」
「え!?もしかして……アカネちゃん?」
そこに居たのは成長しても一目で解る。
……私の子供時代の唯一の友達だった。