ただの賞味期限切れ程度だったんだ。あれくらいは。あれくらいでもう終わりだなんて。もう無理だなんて嘆いて。何も理解していない癖にそれがこの世で一番の苦しみかのように叫ぶ。
本当の終わりはあんなもんじゃなかった。絶望はあんな甘いものじゃない。
賞味期限が切れたってまだ少しの間は食べられる。なんとかなる。味は落ちるかもしれない、一番良い方法でもない。だけれども捨てる必要は無い。
これこそが本当の絶望なんだ。どう足掻いても、何をかけても、「良」の一文字。いや、「普」の一文字すら手に入れることが出来ない。もう手遅れ。本当の終わり。言うならば賞味期限切れとは比べ物にならない、消費期限切れみたいなものだ。
消費期限が切れたらそれは捨てなくてはならない。食べるなんてもっての外なんだ。それはもう価値の無いもの。
もう価値がない。そうなれば諦めて捨てられるしかない。
諦めるしかないのだ。
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