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※夢ノ宮市■■町■■団地の音声入力よる実地調査レポート。
※調査員は、数日前、田所あかりへの聞き取りを行った塚森レイジ。
<録音開始>
……■■月■■日、午後一時半。
バスを乗り継ぎ、■■団地に到着した。
入り口に立っただけで酷い臭いが、腐った肉のような悪臭が漂ってくる。
ここはいわゆる低所得者層向きの団地だが、建設されたのはほんの二、三年前。
もう少しきれいでも良さそうだが壁は黒くすすれ、そこら中にゴミが散らかっており、非常に不快な気持ちになる。
恐らくそう言ったことも、ここ、■■団地に潜む怪異の障りだろう。
ここでは何が起きるか分からない。
調査は慎重に行うことにする。
(足音)
な、何だこれは……?
……ただいま、団地敷地内の公園。相変らずひとけはないが砂場に奇怪なものを見つけた。
砂場の中心には大量の砂が盛られてピラミッドのような形になっている。
そこに突き立てられているのは――長さ三十センチほどの細い、赤錆びた鉄串のようなものだ。
……ちょっとやそっとの数じゃない。
ピラミッドに突き立てられた鉄串は――、ザッと数えただけでも五十本はくだらないだろう。
これは私の想像だが――子供達が「にえ」を「団地のおうさま」に捧げた跡なのだろう。
と言うことは……。
(二分間ほど、沈黙)
桃ちゃんを含めた子ども達がここで怪異に曝露したのは間違いないだろう。
娘がいる身としては……耐えがたい事実だ。
(沈黙)
もちろん、気になるのは大人たちも同じだ。
ここに住んでいるのならば、嫌でも子供達の奇行が目に入るはずだ
なのに今のところ、誰かが警察に通報した様子はない。
……臭気がさらに強くなった。
他所を調べよう。
(足音)
駐車場に移動。
敷地のかたすみに祠がある。近づいてみよう……。
祠は見た感じまだ新しい。
建立されてまだそんなに時間は経っていないようだ。
かたわらには木の立て札。
……こっちは随分と古めかしいな。
かろうじてだが、「天降大岩ノ神」と御神名が書かれているのが読める。
読みは……アマフルオオイワノカミ、か……。
うーん……。どこかで聞いたことがあるような……。何だったかな……。
(遠くから人の声。怒っている様子)
誰か来る。
ここで録音はいったん止めることにする……。
<録音終了>