目の前にいる男二人の大きなため息になんの意味があったのか、私には知る由もなかったけど、いち早くそれから復活した裕斗が一歩近づく。涼の前でこうして裕斗と対面するのは、なんだか落ち着かない。
この後、裕斗が何を言うのか、そればっかりが気になっていたから、伸ばされた手が私の頭に乗ってポンポンと触れたとき「へ?」と間抜けな声が出た。
「じゃあな。見送り忘れんなよ」
裕斗は背を向けたまま、手をひらひらとさせるバイバイの仕草をしてから、コインランドリーを後にした。姿が見えなくなるまでの間、私が返した指輪をポケットから取り出し、すれ違いざまの女性に、まるで街でポケットティッシュを配る人のように指輪を手渡していて、また歩き出した裕斗に驚愕する。
私だけじゃない。指輪を貰った女性も、もちろん驚きの表情のまま一瞬フリーズして、我に返ってから、もうずいぶん遠くへ行ってしまった裕斗を追いか***************
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