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映像が終わった。邦人さんは俯いている。そして美里さんを見ると涙を流していた。
「adamくんは和也と会ったことがあるか?」
僕は邦人さんからの問いかけに答えられなかった。僕は和也さんに会っている。でも僕が会った和也さんはもう…。
答えない僕を見て邦人さんはこう言った。
「和也を探しに行こうとも思ったよ。だが美里を一人にするわけには行かない。それに和也はもうこの世にはいないかもしれない。でも最期に和也に会いたいんだよ。俺も美里も。特に美里はもう長くないだろうからな。」
そういう邦人さんの目にはいつの間にか大きな涙が浮かんでいた。カズヤさんのこと、この二人に伝えないといけない。
「鈴原教授のシェルターでカズヤさんと会いました。ですがカズヤさんはもう死んでいました。」
それを聞いて邦人さんはこう返した。
「そうか。鈴原教授のとこにいたんだな。あいつは鈴原教授が大好きだったからな。そうか。そうだったんだな。うぅ!」
邦人さんは声を出しながら泣き出した。ずっとカズヤさんに会えると信じていたのだから。僕は邦人さんにこう提案した。
「僕がカズヤさんをこのシェルターに連れてきます。数日かかるかもしれませんが、少しだけ待っていてください。」
邦人さんは泣きながら頷きこう言った。
「すまないな。息子の死に顔を拝ませてくれ。」