ダイニングで夕食を囲む。
私はこの時間が不登校中で一番苦手だった。
なぜなら、その時間は私への魔女裁判が行われるからだ。
私はそれをじっと耐え、どうにか涙を堪えるしか術がない。
ほら、始まる。
「今日は何してたの?」
「…何にもしてない」
「? 何にもしてなかったの?」
「そんなわけねぇじゃん、ゲームだろどうせ」
「どうでもいい、学校に行かない奴の話なんて聞く必要ない」
「もう、そんなこと言わないで、じゃあ今日はずっと家にいたのね?」
「うん…」
「はぁ、いいな〜、俺も休みて〜」
あてつけだと分かっていながらも、反論してはいけない。悪いのは私なんだから。
「ねぇ、そういえば洗い物ありがとう。洗濯物も終わってる?」
あ。
「忘れてた…」
「はぁ? 今日一日あったでしょ? 洗濯物くらい終わらせておいてよ」
でも、体が思うように動かないの。
洗い物だって、一応やったんだからそんなに責めないでよ…。
「……気力が、湧かない」
「気力が湧かなくてもやるの、当たり前でしょ? もし仕事で、気力が湧かないので無理です、って言ったらクビだよ?」
それはお母さんの話でしょ…?
私は仕事に行ってるわけじゃないのに。
「どちらにしろ仕事しねぇ奴に食わせる飯は無いからな。外で野良猫と残飯でも漁ってろ」
「………」
これが私の家族。
そんな大切な家族が、猛烈に嫌いになりそうだ。
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