「来てくれてありがとうな、瑞希」
片足立ちで、踵に指を入れながら靴を履き、彼を振り返った。
「どういたしまして。見送りなんていいから、早くベッド戻って」
「明日は会社に行くから、悪いが今日は俺の分の仕事も頼む」
「了解。でも、無理はしないで。二、三日くらい何とか回してあげる」
「ふ、……頼りにしてる」
ご褒美のように彼が私の頭を撫でた。
くすぐったくて、その手を退けるために彼の手の甲に触れると、彼がふいに視線を落とした。
少しだけ下りた瞼が、どこか切なそうな表情をつくって、反射的に身体の動きが止まった。
「それと瑞希……もう一つ頼みがある」
「うん? 何か買って来る?」
それくらいお安い御用だけど。
そんな気持ちで小首を傾げると、彼は私の左手首を、空いた手で掴んで下ろした。
するり、と指を滑らせ、手の平で支えるように握った彼が、親************************
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