テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
[7号の記録を開始]
現在:3918年4月1日 20:00
被検体:JCU-007/AD-3901
記録が開始された。音声入力、音声記録、監督記録とまぁ厳重ってわけだ。それほどに兵器の心理状態が大事ということだろうが、お堅い。
白服の男が2人懸命に記録を取ってご苦労なこった。時間潰してまでこの時間を作る必要と真偽は未だに謎なんだが、こいつらの考えることなどほとんど意味はないだろうが。
「君は魂を信じるか?」
魂を信じるとは一体どういうことだろうか。魂という概念を信じるかということなのか魂という存在そのものを信じるという意味か。
でも、私たち核体兵器の仕組みでは魂があると信じざるおえないだろう。
「なければ私は今ここにいない。」
律儀に1文字1文字記録してやがる。あんまり喋ると長くなるからいつも適当に返している。
任務前に行われる心理調査的を何に使うのか私はよく分かってはいない。
「君は134号についてどう思う?」
「134号は特に勘のいいクソガキとしか思いませんよ。」
あいつは普通にクソガキだが、追加するならマセガキと照れ屋なアホも必要か。
「では3号についてもう思う?」
「精神異常者」
精神異常者としか言えないというか知らない。笑顔にもならないし常にずっと悲しそうな顔してる。
それ以外に何も分からないくらいただの他人と言える。あとは少し痩せすぎとかじゃないかな。
ていうか相変わらず飽きずに質問攻めかよ。流石にやめてほしいものだよ。面倒だし。
「では130号は?」
「真面目なコミュ障」
普段からコミュニケーション苦手そうという偏見なんだけどあまり溶け込めてなさげだったし、私とわりと似た人種だろう。
「ついでに言ってしまえば、出来れば人に認知すらされたくなさそう。」
まーた律儀に書きよる。どうせそんなの何にも使わねぇだろ。思想の記録なんて何に使うんだよ。
「君は今回の任務はどう思ってる?」
「どうって作戦内容を見る限りはかなり危ないなと思いました、それだけです。」
少し驚いた。なんせ133号のことは聞かれなかったからだ。何か言われるような心当たりがあったのにも関わらず。
[3918年4月3日8時32分/134号]
[現在地:採掘地域付近の山岳地帯]
採掘地域の山岳を下りながら歩いているがどうもこの辺は標高が高いから涼しい。この辺はいつもむし暑いのに。
「あぁーーー、うぅーーー。」
ふてくされて会話にならない声を出す。そりゃもう疲れちゃってんだ。体の方がとっくに限界だ。
「134号変な声出すな。」
「7号はすました顔でそんなこと言えるくらい余裕あるからいいじゃん。」
7号に注意されてちとムカついた。なんせ7号は体細いわりに体力があるところとかムカつく。
130号はいつもどおりというか相変わらずというか。普段からこんなにお堅い顔してるのかなー。
と思ったら133号も疲れたのか猫背になってへこたれてる。声に出さないだけで133号はえらい。
そんな山岳地帯なんて通りたくないー。ていうか敵だって馬鹿じゃないんだから今更こんな回りくどい真似をする必要があるのだろうか。
暇だから周りを見ていたら7号がなんだか辛そうな顔をしている。いつもはあんなすました顔してるのに珍しくてつい言ってしまった。
「7号、なんかしんどそうだけど大丈夫?」
「…別にそこまでしんどくない。」
なんて言ってるけどちょっと嘘だなー。いっつもそうやって強がるんだよ、僕もしんどいけど。
「僕が言ってるのはそっちのしんどいじゃないんだけどなー。」
「?」
まぁ7号は気づかないか。別に僕、そんなに心配してる訳では無いんだけどさ。
「あんまり7号にちょっかいかけるなよ?」
「ちょっかいじゃないし。」
130号ったらまた僕のこと子供扱いしてるよ。ちょっかいなんてかけてるつもりないのに。
周りをよく見るとやっぱり133号と130号はよく話すんだよなぁー。でも、やっぱり2号と3号は近くで歩いてはいるものの喋ってないよね。
無口だよなー、たまにはあの二人にちょっかいかけちゃうか。なんて思いながら2人の肩を後ろからぽんと叩いた。3号は驚いたのか肩がピクリと動く。
「んー?何?」
「なんでわざわざ背中から…」
「2人ともあんまし話してないなーと思って。」
2号は驚かずにも動揺する素振りすら見せないなー。危機感の欠如だなー。
ふたりはそんなことかって顔してまた歩いちゃうんだよね。冷たいよね、ふたりとも。
「戦闘にコミュニケーションは必要ないから。」
3号はそんなことを簡単に言っちゃうもんね。なんて話してたら見えてきたなー、割と田舎なんだなー。採掘地域の近くなだけなのに工場臭い…。
排気ガスのせいなのかなー。空気があんまり良くないな〜、ここら一帯。
#恋愛
ばたっちゅ
4,526
215
#BL
NGS_ヘビーなしっぽ
204
とりあえず、任務はこっからだけどどうやってこよ地域に侵入するのか。
「とりあえずこの町の中枢をになっている電波塔の麻痺は私と133号と130号がやるから先に採掘工場へ向かうこと。」
「わかった。7号たち気をつけてね。中枢だけあって異星人がゴロゴロいるはずだから。」
任務通りに動き始める。その過程で7号たちと別れた。工場の方向へと真っ直ぐに向かうが、工場の侵入経路については事前に言われずじまいだった。
おそらく自分たちでルートを探せということなのだろう。工事の設計図なんて持ってるはずないか。
[スキャン開始]
logが勝手にスキャンしてる…。そりゃAIの判断は適切だけど、視界端にそんなもの映さないで欲しいなー。はたから見たらなんもないんだけどさ。
[非常階段の警備の脆弱を発見]
漢字ばっかで何言ってるかわかんないよ。なんだよ非常階段のけいび?のきじゃく?
[非常階段がおすすめ]
もう短略的になっちゃったよ。漢字が読めないのは仕方ないじゃんね。
「134号?どうしたの?」
「ごめんごめん。漢字が読めなくて苦戦してた。」
2号は驚くことはなかった。2号も3号も漢字が読めないけど僕よりは読める。わりと2号も3号もlogが難しいことばっかいうから読めるようになったのかなー?じゃないとおかしいもんね。
「まともに教育とか受けさせて欲しいよねー。漢字読めないんじゃ自立しても───」
「134号、そんなことよりルートの方を…。」
3号は134号の言葉を遮ってそう言った。134号はそう言えばと忘れそうな勢いだった。
「ごめんごめん、ルートは非常階段が手薄だって。」
「わかった。」
2人はうなづい。134号に先導され非常階段へ向かった。
[3918年4月3日9時42分/130号]
中枢電波塔に来るが以外にも人は少なかった。当たり前か。大体の中枢電波塔はAIに代理管理を任せている。
そのため代理管理と一様AIの故障による事故を避けるために管理しいる異星人もいるだろう。
いちばん厄介なのは、セキュリティシステムだ。銃火器持った人型機械とか出てきたら夢があるんだけどな。
「2人とも、私はここらで電波障害を発生させます。しばらく本部の連絡はろくに取れません。」
「そ、そんなこと出来るの!?すごいすごい!」
「大きな声出さないでください耳障りです。」
7号に言われたことがショックだったのか133号は肩を落としてしょぼくれていた。
「7号ちゃんひどいよぉー」
いつもこの人メンタルブレイクすると僕に抱きついてくる。恥ずかしいからやめて欲しい。いつも通り当然のごとく抱きついてこないでほしい。
とりあえず早く建物内に行かないとだろう。とりあえず擦り寄ってくる133号をどかして背中にかけていた武器を下ろす。この武器すごく重い。
[7号による電波障害でネットワークへと通信が不可]
logがこう反応したんだし、そろそろ出ないとだ。この電波障害も、一定の範囲を超えると電波が上手く遮断できないらしいし扱いづらそうだ。
その反動でもあるのだろうか、7号が少ししんどそうというかフラついているというか。いや、任務には関係がないか。とりあえず武器を構えよう。
7号も133号も流石に銃を構える。思い切って建物内に入る。自動ドアなんて付けてるからセキュリティ面で行くとわりとガバガバだ。
ここじゃ誰も殺してはならない。だがこの電波塔内の階段は場所がばらばらで管理室までよくわかりっていない。
けどやっぱりここも安全性を考えると非常階段があるはずだ。今は電波障害で混乱してるはず。
「こっちに非常階段あったよ。」
全員で133号が見つけた非常階段へ走り込む。設計では外に非常階段があるという何ともよくわからない設計をしていた。
けどいちよう階段にガラスがついてるから割らないと出たり入ったりできないってことか。
走って階段を駆け上がる。最上階にはなくともおそらく上にあるだろうと思う。すると立ち入り禁止のドアが目に入る。
「今回の任務はAI管理機能の故障を促すことだ。だが、このドアは破壊なんてしてはならない…。」
「私がやる」
そういうと7号は電子ロックのドアに手をかざしたあと少し離れた場所へ僕たちを連れ出すとドアが爆発した。
「内部爆発させた。向こうから見れば老朽化で爆破したように見えるでしょ。まぁ、セキュリティAIからすれば警戒レベル1に上がったと思うけど。」
建物内に入る時にドアの残骸が目に入る。いや、モタモタしてる余裕はない。
予想通りここは管理室だった。管理室には一様管理職の人がいるようだけど寝ているっぽい。ならこの人に濡れ衣を着せることは全然できる。
同じことを思ったのか7号は手袋をつけて管理AIの機能を近くの管理職の者の認証キーを使い停止させた。こればっかりは都合が良くて助かった。
その上機能が停止した後にウイルスフィルターを外すというなんというか7号は容赦せずにいた。
「いくよ」
そういい7号は何にもありませんと言わんばかりに部屋を出て133号とその後を追う。
おそらくあちらさんのサーバーはウイルスの侵入を許しちゃうんだろうなー。ウイルスフィルター外したせいで…。
それで余計混乱させたり作戦時間を長引かせる遅延させるなんて7号なかなか度し難い…。
「あとは工場いくだけだね!」
確実に油断していそうな133号を見て7号は133号の顔をつねる。なんだかんだ仲良くできそうだと思って微笑ましさのあまり口許が綻びそうになる。
僕の顔を7号はまじまじと見ていた。
[3918年4月3日10時12分/2号]
「輸送エリアの停止完了」
3人が電波塔を停止しているうちに輸送エリアの停止を完了させていた。
輸送機があると物資が運ばれてしまう。物資が運ばれると困る。いろいろと。
攻撃の許可は電波塔が停止したあとだね。とりあえず3人と合流し、工場のエーテルの暴走を引き起こすだけ。
その間に私たちは情報の確保が必要。この輸送機の資料を見る限り、これはエーテル以外にも鉱石が採れるのか。
「情報を見る限りは彼ら異星人はこの工場にかなり依存しているようです。」
「へ〜!その資料まだまだあるんでしょー?僕も見たいな〜。」
「それはまたCCUさんの目を通してからの話。誤った情報かもしれないし。」
めんどうだが資料のコピーをUSBに転送して終わった。にしても、地下鉄で輸送なんて。いや、上空は危ないし、ここスフェルナは大きな大陸の他にも大陸はあるが小さな島ばかりだしこれで十分だな。
「ここのスフェルナ人がなぜこんなにも弱ってるかわかる?」
「そんなこと言われても」
3号の方を見るが知らんぷりだ。やっぱりコミュニケーションとるのが苦手と言うより取りたくなさそう。過去の仲間の死を引きづってるのだろうか。
そんな会話をしながら当たりを散策しているが特にこれといって良いものはない。とりあえず地下から離れる必要があるね。
けど、こんな所に子供がいた。敵は確実に皆殺したそのはずだった。
「助けて…いやだ…お…母さん。」
足が止まる。今更怖気付いたのだろうか。けど134号は、そんな事を気にする間もなく斬った。
一瞬の出来事のようだった。3号もまた私と同じように呆然としていたのだ。
「2人ともそんなことしてたら罰を受けちゃうよ。ほら3号も手が震えてるよ?」
「そうだな…ごめん。」
3号の様子が変だ。いつもより会話が少ないしなにか苦しそうというか、追い詰められてるというか
「おーい!!来ちゃったぞー!!」
声のするほうを振り向くと133号たちが走ってこちらに向かってきた。よく居場所がわかったな。
いや、任務内容はそりゃ知ってるから別におかしいことではないか。
「じゃ、あとはやることは一つだけどね。」
「よし!この流れで行っくぞー!!」
なんて133号は盛り上がっていた。視界端に見えたのは134号が珍しく7号に距離を詰めていた所だ。
賑やかでいつもとは少し違う雰囲気でなんだか少しほっとした。
でもその声で雰囲気はすべて異質なものになった。
「こないで!!!」
大きな声を出したのは3号でも133号でも134号でもなく、間違いなく7号だった。
134号は突き飛ばされたと同時に7号が頭を抱え、声を抑えるような声で悶える。呼吸も荒い、体が震えてる。これはもしかして───
「全員近づくな!7号のコアが暴走している…。」
3号の言葉を聞き頭が空っぽになった。
コメント
1件
うわ、この話…ラスト、7号の「こないで!!」とコア暴走、めっちゃ衝撃的だった。それまで134号の視点で軽妙なやり取りが続いてたから、余計に心臓に来たよ。7号、心理調査の時はあんなにすました態度だったのに、内心かなり追い詰められてたんだな…。134号が距離を詰めた瞬間の発作っていうタイミングも、なんか切ない。あと、2号が見てた子供のシーンもゾッとした。任務の非情さがひしひしと伝わってくる回だった。続きがすごく気になる!