テラーノベル
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井戸の底から戻ったet(私)は、しばらく言葉を失っていた。手の中には、あの木箱の破片が残っている。
中には何もなかった。けれど──
「……etさん、大丈夫か?」
ya君がそっと声をかける。
etはゆっくりと頷いた。
「うん……でも、変なの。
あの人の顔も、声も思い出せないのに……
涙が止まらなくて……」
「etちゃん……」
rnがそっと寄り添う。
「何か、見えたのか?」
jpが真剣な顔で尋ねる。
「白い影がいたの。
私の名前を呼んで……“また会えたね”って……」
「また……?」
mf君が目を細める。
「etさん、もしかして……その影に、見覚えが?」
noさんが静かに問いかける。
「ううん、ないの。」
「でも、声を聞いた瞬間に……胸がぎゅってなって……
なんでだろう、って……」
「記憶の奥に、何かがあるんだな」
ya君が腕を組む。
「その“何か”が、鍵なんだろうな」
jpが呟く。
「記録にあった“少年の影”……」
mf君が帳面を開きながら続ける。
「それが、etさんを守っていた存在だとすれば──」
「……あの人が、私の……」
etは言いかけて、口をつぐんだ。
頭の中に、名前が浮かびそうで、でも掴めない。
「……???……」
その名前だけが、霧の向こうに隠れている。
「etさん」
svさんがそっと声をかける。
「無理に思い出そうとしなくても、大丈夫です。
記憶は、必要なときに戻ってきますから」
「……うん、ありがとう、svさん」
「でも、気になるな」
ttnが低く呟く。
「その影、敵じゃなかったんだろ?」
「うん。むしろ……守ってくれてた気がする」
etが答える。
「じゃあ、etちゃんの味方……なのかな」
rnが小さく首をかしげた。
「味方かどうかは、まだわからねぇ」
ya君が霧の奥を見つめる。
「でも、あいつが何者か……それを突き止める必要がある」
「そのためには、もっと深くまで行くしかねぇな」
jpが剣の柄に手をかける。
「次は、どこへ向かう?」
mf君がetに視線を向けた。
etは、木箱の破片を見つめながら答えた。
「……神社の奥に、封印の間があるって聞いた
そこに行けば、何かわかるかもしれない」
「じゃあ、決まりだな」
ttnが頷く。
「準備は整えておきます」
naさんが静かに言った。
「ありがとう、naさん」
etは微笑んだ。
霧は、まだ晴れない。
けれど、etの中の霧は、少しずつ──確かに、揺れていた。
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