会話の内容があまり頭に入ってこない。
週末の仕事終わりの楽しいお酒のはずなのに全然、味がしない。
何よりココに居るはずなのにまるで居ないような、そんな感覚にさっきからずっと捕らわれている。
それもこれも全部、目の前の彼女のせい。
といっても本当は彼女が悪いわけじゃない。
私が勝手に居心地悪さを感じているだけだ。
「奈緒?」
ぼんやりと思いにふけっている不意に名前を呼ばれ、手からフォークが零れ落ちる。
「え?ごめん、何?」
「飲み物、お代わり頼むけど奈緒もどうかなと思って」
慌てて答える私に浩太はドリンクのメニューリストを差し出してきた。
「ううん、私はまだ……」
「でも本橋さんのグラス、カラだよ?」
そう言われ自分のグラスを確認すると森田さんの言う通り、まだあると思っていたグラスは空になっていた。
「本当だ。ありがとう、何にしようかな」
浩太からメニューリスト******
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