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来世はくらげ
#ダークファンタジー
「 崩壊の前夜 。 」
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あの日のあとから、俺はずっと違和感を抱えていた
戦闘は終わった
歪者も消えた
なのに、何かだけが残っている。
シキ。
あの人だけが、少しおかしかった
(泣いてたのに……普通に、説教してた。)
意味が分からなかった
でも、目を逸らせなかった。
その深夜、また街で 歪み が出た
Laiaは、シキが命令して宿で休んでいる。
今度は小規模。
でも、”嫌な感じ”だけが強かった
〈 ……俺が、やる。〉
俺は自然に言っていた
シキは止めなかった
ただ、一言だけ。
「…無理はするな。」
その言葉が、何故か1番怖かった
現場。
そこには”歪者”がいた
でも違う
形が”曖昧”すぎる。
人のカタチに近いのに、崩れている
(……これ…)
[ やめて…… ]
[ 助けて…… ]
「……っ…」
まただ、あの声
でもいつもと違う
これはもっと直接的だ。
目の前の歪者が、誰かだった”記憶”を残している
(俺が…これを……)
手が止まる
その瞬間だった。
歪者が動く
「っ───!」
速い
近い。
防げない。
痛み
視界が揺れる
(ああ、やっぱり。
俺じゃダメだったんだ。)
その時だった
「…だから言っただろ。」
シキだった
いつも通りの声
でも違う。
“怒っていない声”だった
「見たくないなら見るな」
一瞬、俺は笑いそうになる
(そんなの、無理だろ)
でもその言葉は続いた
「…でも、背負うなら。最後まで立て。」
その瞬間
俺の中で、何かが切れた
今まで我慢していたものじゃない。
“自分の限界の線”だった
【…やめて…】
【ごめんなさい……】
【……おれのせいで…】
〈……っ、うるさい。〉
俺は立ち上がろうとしたが、足が動かなかった。
(…無理だ、もう…無理だ。)
そのとき、シキが近づく
「レン」
ただ、名前。
それだけで崩れる
〈…俺……無理だぁ…〉
初めて本音を言った
〈見たくない…でも、見える……〉
シキは少し黙る
「…なら、それでいい」
〈…え…?〉
その一言で、俺は止まった
「無理なままでもいい。」
「ただ、離れるな。」
その言葉で、俺の中の 崩壊 が変わる
壊れるはずだったものが、形を変える。
逃げじゃない。
放棄でもない。
“選択”になる。
[ やめて……助けて…… ]
もう、飲まれない。
俺は歯を食いしばった
〈……俺は、まだ行ける。〉
その瞬間、歪者が消える。
俺は、その場に膝をつく
でも崩れていない。
「……それでいい。」
それだけ。
その深夜、俺は決めた
(俺は、あの人の隣に行く。)
(……あの人は、一人で立ち上がりすぎてる)
そしてもうひとつ。
“ 俺はもう、逃げない。 ”
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