コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
害獣メモリー:夏休みの自由研究(目蒲&シグマ、道有&ナビスで探検!)
1.夏休みの課題は「探検」!?
「なあ、自由研究、何にする?」
昼下がりの教室、目蒲 安(めがま やすし)はメガネを押し上げながらぼんやりとつぶやいた。
「探検だな。」
横で腕を組んで地図を広げているのは道有 成(どうゆう なる)。
生まれながらの地図好きで、手元の紙には江戸時代の地図まで載っている。
「探検って……どこを?」
目蒲は気だるそうに呟く。
「よし、決まりだな! 近所の廃神社に行こう!」
道有が勢いよく立ち上がると、彼の害獣ナビスが背中で「ウォォォ!」と遠吠えをあげた。
「待て待て、心霊スポットかよ……。」
嫌そうな顔をする目蒲。
「いやいや、あそこには伝説の秘密が眠ってるんだ!」
道有は得意げに説明を始める。
「探検するなら、僕も手伝うよ。」
本を閉じながら話に割り込んできたのは、目蒲の害獣・ジグマ。フクロウのような丸い目を輝かせながら、知識を整理するように言う。
「廃神社は昔、天候を読む術があったと言われている。ナビスの能力と僕の記憶力を組み合わせれば、何かわかるかもね。」
「決まりだな!」
道有は地図を勢いよく畳み、準備を始めた。
2.廃神社への探検開始!
日が沈みかけた頃、目蒲と道有はナビスを先頭に廃神社へと向かった。
「こんなところに道があったのか……。」
目蒲がつぶやくと、ナビスが振り返って自慢げに言う。
「道迷いはありえない。それがナビスの力!」
途中、蔦に覆われた鳥居をくぐると、空気が一変した。
「……おい、ちょっと不気味じゃないか?」
目蒲が冷静に言うと、ナビスが前足で地面を叩いた。
「心配いらない! 僕がいれば道は絶対に間違えないから!」
目蒲はため息をついた。
(間違えないのと、怖くないのは別の話だろ……。)
そんな時、ジグマが目を光らせた。
「この先に、何かある。」
ジグマはフクロウのように鋭い視線で茂みの奥を見つめていた。
「お、やっぱり何かあるんだな!」
道有が地図を広げて確認する。
「……! ここ、江戸時代の地図に載ってない!」
3.隠された地下室と害獣の歴史
2人と2匹は、草むらの奥に朽ちかけた井戸を見つけた。
「これは……?」
目蒲がそっと覗き込むと、井戸の底に木の扉があるのが見えた。
「地下に続いてるのか?」
道有がナビスと共に慎重に近づく。
ジグマが目を細めて言う。
「ここ、もしかして……害獣の歴史に関係する場所かもしれない。」
「まじで?」
目蒲が興味を持ち始めたその時——
「開けるぞ!!!」
道有が勢いよく扉を押した。
「ちょ、待て待て待て!」
止める間もなく、扉はギギィィィ……と音を立てて開かれた。
中には、古びた害獣の記録が刻まれた石版が並んでいた。
「うわぁ……これは貴重だ。」
ジグマが感嘆の声を上げる。
「すごい! 自由研究どころじゃないな!」
道有は地図と照らし合わせながら興奮していた。
「害獣って、昔から人と関わっていたんだな……。」
目蒲は石版に触れながら呟いた。
「これは、僕たちだけの発見だね。」
ジグマが満足そうに頷く。
「よし! 研究レポートにまとめるぞ!」
道有は地図を持ったまま、目を輝かせて言った。
4.探検の成果と夏休みの終わり
夏休みの終わり、目蒲と道有は探検の成果をレポートにまとめ、発表会でクラスメイトを驚かせた。
「本当にこんな場所あったの!?」
「すごい、害獣の歴史ってそんなに昔から……?」
先生まで興味津々で聞いていた。
「いやー、自由研究でこんなに大発見するとはな!」
道有は胸を張る。
「最初は行きたくなかったけど、行ってみてよかったよ。」
目蒲も満足げに頷いた。
「さて、次はどこを探検しようか?」
ナビスがワクワクしながら言うと、目蒲とジグマは苦笑した。
「……夏休みはもう終わりだぞ?」
こうして、2人の夏休みは害獣の歴史を知る大冒険で幕を閉じたのだった——。