/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
それから、一年が経過した。
栞は現在、国際線のクルーとして活躍していた。
国際線は、飛行時間が長いのはもちろんのこと、国際色豊かな乗客で機内が賑わう。
どの国の乗客にも最善のサービスが提供できるよう、栞は細心の注意を払って業務にあたっていた。
この日は、ホノルル発羽田着の便に乗務していた。
この便は日本人の搭乗率が高く、会話の多くが聞き慣れた日本語だった。
今回の乗務を終えたら三日間の連休が待っているので、栞はいつにも増して気合を入れ業務にあたっていた。
栞が担当しているのはビジネスクラスで、座席数はエコノミーよりも少ない。
ビジネスクラスは旅慣れた客が多いので、栞はミスをしないよう十分気を引き締めて業務にあたっていた。
搭乗客がほぼ席に着いたのを確認すると、栞は笑顔を浮かべながら座席の間をゆっくりと歩き始めた。
シートベルトをチェックしながら、乗客が必要としているものを聞き出しすぐに対応する。
離陸時刻が近付くと、栞たちクルーは機内の最終チェックを行い、自分たちの座席へ戻った。
その後、飛行機は定刻通りに離陸した。
飛行が安定すると、栞は先輩クルーたちと提供する食事の準備に取り掛かる。
今日は揺れが少ないので、準備がスムーズに進みそうだ。
準備が終わると、先輩クルーの合図とともに、栞は担当する座席へ食事の提供を開始した。
順調にサービスを続け次の列へ移った栞は、そこに座っていた人物を見て思わず声を上げた。
「あっ！」
そこにいたのは、元義理の姉・華子だった。華子も栞に気付き、驚いていた。
久しぶりに会った華子は、以前とは様子が違っていた。
これまで華子は栞に会うといつも鋭い視線を向けてきたが、今日の彼女は穏やかな表情をしていた。
栞がその変化に驚いていると、華子の方から声をかけてきた。
「また会ったわね」
栞が何も答えられずにいると、華子は続けた。
「あの時は本当にごめんなさい。クレームなんて大人気ないことをしてしまって、自分でも嫌気が差すわ」
華子はそう言って穏やかな笑みを浮かべた。
（彼女の方から謝ってくるなんて……一体どうしたの？）
驚いた栞は、まだ何も言えずにいた。
すると、華子が続ける。
「CAになりたかったから、慶尚大学を受けたのね。今になって理由が分かったわ。頑張って夢を叶えたのね。凄いじゃない」
彼女はそう言ってふふっと笑った。
その言葉が本心からだとわかった栞は、思わず涙が溢れそうになった。
（一度は、私の姉だった人……）
そんな華子に、栞は涙をこらえながら言った。
「ありがとうございます。お姉さん」
栞が華子のことを『お姉さん』と呼んだので、彼女は一瞬驚いている様子だったが、すぐに照れたように微笑む。
その時、席を外していた華子の連れが、隣の席に戻ってきた。
連れの男性は、40代くらいのガッチリとした体格のイケメンで、かなりハイスペックに見える。
以前華子が一緒だった男性とは、大違いだ。
華子は、戻ってきた男性にこう説明した。
「彼女が前に話した元義理の妹よ。ＣＡなの！ 凄いでしょう？」
すると男性はすぐにその意味を理解したようで、うんと頷いた。
「こちらは、婚約者の日比野（ひびの）さん」
「初めまして、日比野です」
日比野が栞に挨拶をしたので、栞も挨拶を返す。
「初めまして、鈴木と申します。お二人はご婚約されたんですね、おめでとうございます」
「ありがとう」
華子は嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔を見た栞は、すぐに直感で分かった。
華子は日比野と出会って変わったのだ。日比野に愛されることで本来の自分を取り戻し、長年彼女を苦しめていた母親の呪縛から、解放されたのだ。
華子を愛おしそうに見つめる日比野、そして日比野を心から信頼している様子の華子を見て、二人が本当に愛し合っていることが伝わってくる。華子は日比野と出会い、やっと自分の居場所を見つけたのだ。
彼女の左手には、とても見事なダイヤモンドのエンゲージリングが輝いている。
華子の幸せそうな姿を見て、栞は胸がいっぱいになり涙が溢れそうになる。
しかし、栞は涙をぐっとこらえると、笑顔を浮かべ二人にこう言った。
「どうぞ、末永くお幸せに！」
栞は二人に向かってゆっくりとお辞儀をすると、穏やかな笑顔で次の列へ移動した。
飛行機が羽田に到着すると、華子は栞が立っている出口へ向かって歩いてくる。
栞の前を通過する際、華子は笑顔で会釈をすると、日比野と手を繋いで飛行機を降りていった。
二人の後ろ姿を見つめながら、栞の胸にあった凝り固まった感情が、スーッと溶けていくのを感じた。
コメント
31件
華子の運命の人、陸さんと出逢って華子の運命も好転して栞ちゃんとも分かち合えたのがすごく嬉しい🥹💗💞 母の呪縛が解かれて角が取れて丸くなった華子が本来の姿だと栞ちゃんも気づいてお互いが愛する人と幸せになれますように🙏☺️💕
華子さんにも、ちゃんと愛してくれる人が現れて良かったなぁ
華子が心から満たされ幸せでいる事が嬉しいね。 愛する人によってここまで変われた華子と会えて良かった。 栞ちゃんの心も晴れ晴れだよね💕💕 栞ちゃんも日々頑張ってるね。 直也さんに会えるのが待ち遠しいな*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
