💙side
ベッドに入ってあとは寝るだけなのに
💙「あー、くそ」
バサッと布団をかぶる。
頭の中に、さっきの光景が何度も勝手に再生される。
💙(てか俺、女子ともキスしたことないのに…俺のファーストキスが……)
あぁもう思い出したくない。
天井を見て深呼吸しても、胸の奥がじんじんして眠れない。
夜は長いのに、ラウールの顔ばっか浮かんでくる。
💙(……寝れねぇ……)
翌朝。
💙「もう、学校行きたくねぇな」
どっと疲れが押し寄せて、ため息が漏れた。
でも行かないわけにもいかず、しぶしぶ制服に袖を通す。
校門前。
門の前に立った瞬間、また現実を思い知らされる。
高級車がずらりと並び、運転手にドアを開けてもらいながら降りてくる生徒たち。
💙(まじこの学校には、慣れない… )
教室に着いても、昨日のことが頭から離れない。気を紛らわせようとノートを広げるけど、何度もあの唇の感触が浮かんでくる。
💙(あー、もう!)
そんな中、廊下の外がなんかざわついてる。
チラッと覗くと──
💙「……っ、は?ラウール?」
廊下の向こうに、見覚えのある高い奴がいる。
女子たちに囲まれながら、こっちをチラチラ見てる。
💙(ここ高等部の棟なんだけど…お前、中等部だろ……何してんの?!)
しかも何度も……
休み時間になるたび、教室の前をうろちょろしてる。
気配がするたびに、俺は身を隠すのに必死だった。
💙「マジで勘弁してくれ」
廊下の端から端へ、物陰から物陰へ。
真剣な顔で逃げ回る俺、多分傍から見たら完全に不審者だ。
でも仕方ない。
昨日あんなことされて、ラウールの顔を見れる勇気はない。
それに一緒にいたら目立つ。
昼休み。食堂に向かおうとした瞬間──
︎🤍「翔太くん!」
💙「あっ……!」
聞きたれた声が背後から響いた。
振り向くと、案の定、あの高身長モデルが立っていた。
💙(やばいやばい)
思考より先に体が動いた。
全力で逃げる。
しかも、ラウールって歩幅でかいから追いつかれるのも早い!
︎🤍「ちょ、待って!」
💙(今は無理だって!)
人混みに紛れ込んで、なんとか食堂の中へ。
階段の方には絶対行かない。2階はSnowManと限られた生徒しか行けないから。
俺は1階の奥の奥、誰も来ない隅っこの席へ滑り込む。
ようやく息をついて、トレーを置いた。
こっそり上を見上げると、2階の席にはラウールの姿。
そしてSnowManのメンバーらしい数人と、笑いながらランチしてる。
──
食べ終わって、気分転換に散歩することにした。
少し歩いた先に見慣れない道があった。
💙「あれ、ここ行ったことないな」
進むと、目の前に広がったのは──まるで映画で見るお城のような庭。
手入れされた芝生、真っ白な噴水、花のアーチ。
太陽の光が差し込んで、きらきらと輝いてる。
💙「すご」
俺はベンチに腰を下ろして、ぼんやり空を見上げた。
風が気持ちよくて、少し眠くなてくる。
…その時。
ふわっとベンチが沈んだ気がした。
💙「え?」
横を向くと、そこに座っていたのは──
💜「よ、翔太」
💙「…っ、深澤さん?! 」
深澤辰哉。
SnowManのひとりで、何かと俺と関わろうとしてくる。
なんでこんなに、ついてないんだろ俺。
NEXT→♡100
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《番外編》↓
︎🤍side
──あの日のキスの感触、まだ忘れられない。
柔らかくて、あったかくて、気づいたらしてた。
別に恋とかじゃない。たぶん。
でも、翔太くんの顔を思い出すたびに、なんか胸の奥がくすぐったくなる。
今日も授業が終わってから、つい高等部の棟に足が向いた。
翔太くん、元気かなって。
︎🤍「翔太くん、どこだろ」
廊下を覗いてみたり、教室の前をうろうろしてみたり。
怪しい。完全に怪しい。
すれ違う生徒たちがキャーキャーと視線を送ってくる。
うん、バレてるよね。でもいい。気にしない。
昼休み、ようやく翔太くんの姿を見つけた。
︎🤍「翔太くん!」
呼びかけた瞬間──逃げた。
え、逃げた?!
︎🤍「ちょ、待って!」
自慢の長い脚で廊下を駆ける。
でも、想像以上に逃げ足が速い。
人混みに紛れて、完全に見失った。
……まじか。
仕方なく、諦めて食堂へ向かってた 途中で、友達がいた。
💜「お、ラウ!何してんの?」
︎🤍「いや……ちょっと」
軽く笑ってごまかすと
💛「お前、なんか落ち着きないな?」
︎🤍「え、そう?」
阿部ちゃんは少し笑いながら
💚「まぁ、誰かに会いに来たんでしょ?」
って軽く言う。
︎🤍「え、いや、そんなんじゃ」
慌てて否定したけど、心臓がはねた。
この3人、なんか鋭いんだよな。
💜「まぁ、頑張れよ」
ふっかさんが肩をポンと叩いた。
︎🤍「だから違うって!」
💛「はいはい、食堂行くぞ」
そうして、食堂に向かった。
──
翔太くん、食堂にいるかなって1階を見下ろしてみるけど、姿は見えない。
いや、もしかして見つからないようにしてる?
絶対そうだ。
小さく口角が上がる。
︎🤍「ほんと、可愛い人だな」
そう呟いた自分に気づいて、顔が熱くなってくる。
別に、好きとかじゃない。
ただ──気になって仕方ないだけ。
コメント
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かわいいいいい🤭🤭🤭
きゅうううううってなる! 舞踏会?から読み返すーーー
