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「ギルベルト王子、お待ちしておりました。俺が行きつけの店を案内しましょう。」
俺はフーディーを着ていかにも貴族のお忍びの外出を装いつつ、そう好ましげに語るが堅苦しい正装からタイを除いたような生真面目そうな服装でやってきたギルベルト王子はあまり俺の内容を信じてはいないようだ。
「クレインの東側にそんな素晴らしい店があるのか?」
「少なくとも俺が知る中ではこの街で一番の鍛冶屋ですよ。実際に騎士団向けに納入もしていますし、共通化された規格を少し修正して販売しているので高品質で納入もすぐ可能でしてね。さて入りましょうか?」
俺は彼の斜め側に立ちながら会話をしていたのを終わらせ、扉を開けて入る。扉には「騎士団納入実績あり」と書かれた紙が貼られていて、この店が信頼に足る品質を持っていることが示されている。
「いらっしゃいませ、アルヴィアン様。」
「アダム、ギルベルト王子のために最適化された名前入りの剣を作ってくれないか?費用はアルヴィアン家が払う。納入までの時間は?」
「2-3時間あれば十分です。ギルベルト王子殿下、剣を見せていただけますか?」
「これだ。」