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新連載だーー!! これまた難しい問題を題材にしたわね…どんな結末になるのか気になる…… 「明星が朽ちるまでの余命3ヶ月」と同時に連載していくのかしら。 大変そうだけど、れうのペースでじっくりやっておくれ。5億年でも待ってるで。
世の中には”自殺”という言葉がある。
僕は、「自殺がどういうものなのか」
「自殺をした人はどこに行くのか」
「自殺は誰のせいなのか」
“自殺”という言葉を詳しく知りたかった。
詳しく知りたいと願い、
自殺を試みるお話だ。
“自殺”について知りたいと思ったのは
小学5年生の頃。明るく、純粋な頃だろう。
いつもの商店街の道を通り、
学校へ行く。
教室に入れば、みんなが騒がしく会話を交わす。
だが、今日だけは”騒がしい”ではなく、
“こそこそ騒がしい”だった。
友達の席を見ると、花瓶が置いてある。
何も理解できず、 どうしたのかと、
隣の席の子に聞いた。
隣の席の子は僕を見た瞬間、
顔を青くし、教室から逃げ出した。
僕は理解ができず、その場に固まった。
しばらく経ち、教室の扉が開いた。
教室の扉を開けたのは
重たい顔と少し苛立っているような顔をした先生だった。
先生は教卓の前に立ち、説明を始める。
「板坂 雷が自殺をした。
自殺の原因は人間関係だったそうだ」
生徒が質問をする。
「先生…!自殺って、なんですか」
君たちには難しい言葉だったよな、
と先生が小さく言う。
先生はまた説明を始めた。
「自殺とは、自分の命を捨てるということ。
みんな、親から命を貰って生きているだろう?
その命を勝手に終わらすということだ」
僕は、その言葉を聞いて、
頭の中は疑問に埋めつくされた。
“なぜ親から貰った大切な物を捨てるのか?”
“雷は命が大切じゃなかったのか?”と。
「そして、自殺の原因の人間関係についてだが、
みんなも知っての通り、原因は
蒼野 透だと考えている。 」
は、?
思考が止まった。
蒼野 透は僕だ。
なぜ僕が…おかしい。おかしい。
確かに雷とはよく話すし、仲良かった。
でもなぜ、僕のせいなんだ?
また、頭の中が疑問で埋めつくされ、
自問自答を繰り返す。
「先生。なんで、僕なんですか」
僕はここで初めて、注目を浴びた。
みんなからの視線を気にして
今まで何もして来なかった僕が
ここで初めて、みんなの前で言葉を発した。
すると、先生は顔色を一気に変え、
僕の胸元を掴み、怒鳴った。
「お前…自分が悪いってわかってないのか!!
板坂はお前の言葉に傷ついた!
お前が板坂を殺した!」
殺した?
殺した、だと、?
僕はいつ、そんなことをしたのだろうか。
過去に戻りたい。
先生に胸元を離された瞬間に
僕は無表情のまま、教室を出た。
向かった場所は屋上。
そこで1つ”ピン”と思いついたことがあった。
“自殺をすれば過去に戻れるのか”と。
雷は過去に戻りたくて
自殺をしたのではないか、と考えついた。
だから僕は躊躇いもなく、 柵を乗り越え、
白い翼が生えたかのように
空を飛んだ──。
過去に戻って、やり直そう。
きっと明日は過去だ。