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純の唇が、恵菜の艶めいた花弁をそっと食み、ゆっくりと顔を離した。
彼がネクタイのノットを緩めると、恵菜の心臓が一際大きく音を立て、純が色香を纏わせながら、彼女の眼差しを絡ませている。
「恵菜……」
無骨な手が、小さな頭を引き寄せ、潤んだ唇を奪った。
「んうっ……」
彼が唇を重ねたまま、恵菜が羽織っていた上着を器用に脱がせていくと、純もスーツの上着を脱ぎ放つ。
ワイシャツの上からでも、逞しい体躯をしていると思うと、恵菜の鼓動は早鐘を打ち、心が締め付けられて苦しい。
恵菜の僅かに開いた唇に、純の舌が滑り込むと、歯列をなぞり、口腔内を愛撫させた。
舌同士が抱き合い、妖しく蠢くと、恵菜の身体は脱力していき、彼の身体にもたれ掛かる。
純は唇を塞いだまま、彼女の身体を支えながら横たわせた。
(もしかして……このまま…………純さんと……)
唇を重ね合ったまま、恵菜は、これから始まると予感させられる淫らで甘美な出来事に、期待と不安でせめぎ合い、純のワイシャツ袖をギュッと掴んだ。
恵菜の花弁を貪っていた純の唇が、色白の頬を伝い、首筋を這っていくと、彼女の呼吸が色を滲ませていた。
「っ……はぁっ…………んんっ……」
純の唇が細い首筋を彷徨い始めると、恵菜が鼻に掛かった甘やかな息遣いを零す。
彼の腕に力が込められ、彼女の首筋に顔を埋めながら、強く抱きしめた。
「恵菜……」
吐息混じりに呼ぶ純の声が、恵菜の鼓膜を優艶に揺らし、見下ろされる。
焦燥感を滲ませ、唇を切なく歪ませている純の艶っぽさから、彼女は目が離せない。
「恵菜を…………抱きたい……」
いつか、純と身体を重ね合う時が来ると思っていた。
キスを交わしていた時も、もしかしたら、とも思ったし、セカンドバージン状態の恵菜は不安も拭えない。
けれど、今の恵菜の中では、好きな男の人に抱かれたい気持ちが強い。
彼女は辿々しく腕を伸ばし、純の引き締まった頬に、そっと触れた。