「次の一方通行を左折してくれるか」
「わかった」
総一朗の誘導に従い、ハンドルを切る。
高速を降りてから、随分と住宅街に入り込んだ。
彼の声の調子を聞けば、もう実家に近いのだと知れる。
少しだけスピードを落として走行していると、助手席に座った彼が、僅かに前傾姿勢になった。
「そこの角」
指された先を見据えると、戸建ての家が見える。
暗がりでもわかるように照らされた外灯。
それによって見えるレンガ壁は、幼い頃に憧れたお菓子の家に似ている。
私の実家とは違い、洋風に建てられた邸宅の前で車を停めた。
そのまま彼だけを降ろし、私は車で待っていようかと思っていたが、彼が一緒にと促すので、空いているスペースに車を停めて降りる。
まさか、こんな形で来訪するとは微塵も考えていなかった。
門扉の前に立ち、思いを巡らせていると、ふいに門の外に置************
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