「どうやら賭けは私が勝ったようだよ、沙矢子さん」
総一朗のお祖母さんが、にやり、と笑みを浮かべながら、どこか得意気に言った。
視線を受けたおばさんが、「あらまあ」と間の抜けた声を漏らし、
「やっぱり、お義母さんには敵わないわ」
と、あっけらかんと答える。
私の身体が物言わずに硬直した。
「……何の話だ?」
私より先に強張りを解いた彼が、眉を顰めて問うと、二人が揃って彼を見やる。
その目が大きく、ぱちぱち、と瞬きされると、おばさんが頬に手を添えた。
「だって、……ねえ?」
彼になのか、お祖母さんになのかわからないが、同意を求めるような口調で口火を切ったおばさんが、ふう、と呆れたような吐息を一つ置いた。
「あなたったら、もうずっと、瑞希ちゃんに片想いしてるんだもの」
「――っ!」
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