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『ナンバーワン計画』
これは、ある日突然「世界中の一番」が決まってしまった世界の物語。
その日、人々の端末に届いたのは、一行の通知だった。
> 「あなたは、“世界で一番○○な存在”に認定されました。」
笑った回数、嘘をついた数、誰かを傷つけた重さ、
泣いた日々、怒った理由、愛した温度まで。
全てが見えない誰かに測られ、「世界一」と名づけられた。
それは才能でも名誉でもなかった。
ある者には勲章となり、ある者には烙印となった。
“ナンバーワン”に選ばれた人々は、
広告塔として利用され、
信仰の対象となり、
あるいは恐れられ、避けられ、孤立していく。
そして――
そのすべての「ナンバーワン」に、ただ一人だけ期待されなかった少女がいた。
> “世界一期待されていない人間”、ミナ。
彼女は、何者にもなれなかったことを武器にして、
“誰かの一番”に縛られた人たちのもとを訪れはじめる。
一話ごとに変わる出会い。
一人ひとりの「ナンバーワン」に潜む痛みと光。
やがて人々は気づき始める――
“世界一”にならなくても、ただ“自分”であればそれでいいのだと。