太陽も登りだす早朝、俺はフリフリなメイド喫茶にあるようなメイド服を着て、サングラスにマスクをして移動していた。
理由は簡単、街に出ると当たり一面に俺の顔や写真やポスターが……
さらにビックリなのが同じ髪型にしてる人やチャイナドレスを来てる人、さらには顔をまったく同じ様に変えてる人がちらほら居るのだ。
一言言おう。
き、気持ち悪い!ここまでするか!?
いや、それがほら、1人2人とかならともかく……ヤバイほど多いのだよ。
キュー○ーマヨネーズの人形がたーらこーって言いながら行進するCM知ってる?
とにかく!同じものが多すぎると気持ち悪い!
やはり異世界では常識なのか?この国特有?
整形するのはファッションとして見ているのか?コスプレに感覚なのかな?
「ここまで来ると逆に隠さなくてもいいかもしれないさね」
確かに……こんだけ同じ顔が居ればなぁ。
そんな奇妙な町の様子を見ながら歩き続け、目的地に着いた。
「お待ちしておりました、ブールダさま」
うわ、馬だ……100均のパーティーコーナーにある被り物みたいな顔してる。
「約束通り来たさね」
「解りました、では此方に来てください」
馬人に案内されドアを開けると、でっぷりとしていて高級なイスに堂々と座ってる俺の新たなマスター……モグリが居た。
「ようこそ、町長」
舐めるように俺を見てきたが、すぐに視線を町長に戻し話しを始める。
「約束通り、金は用意した、明日にはそちらのギルドカードに反映されてるだろう」
「話が早くて助かるさね」
「ではそちらの奴隷を今から二週間借りるぞ」
「わかった、ほら、アオイ」
えぇ……本当にやるのか……アレ。
ここに来る前に俺は町長に「これからお世話になるんだからお前を気に入らせる為にこれを言うさね」と言われていた事があった。
それは……
「い、今から二週間、よろしくお願いいたしますにゃん♪ご主人様♪」(満面の笑み)
いやぁぁぁぁあああ!
あぁぁぁぁぁぁぁぁぃぁぁぁぁぁぁあああああ!!
………
……
いやぁあああああああああああああああああ恥ずかしいいいいいいいいいい!
「……」
せめて何か言って新マスター!?
「じゃぁこっちは帰るさね」
おいいいい!?旧マスターも感想言わないで帰らないでええ!?
「それでは帰りをご案内します」
話が進む……もういいよちくしょう……
誰もいなくなり部屋にはモグリマスターと俺だけになった……
「……」
「……」
「……何か飲むか?」
「……お願いします」
すっごい顔を赤くして俺はソファーに座る。
「その様子だと色々治ったみたいだな」
「?」
「初めてお前を見たときは綺麗な人形かと思ったぞ」
そう言いながら魔法でコーヒーカップが運ばれてきて目の前に置かれる。
「いただきます」
うん、コーヒーだな、うまい。
こっちの世界でもコーヒーはコーヒーの味だった。
「それはコーフーと言ってな、お前達は飲み慣れてないからあまり美味しくないだろ?貴族くらいしか飲めない高級品だしな」
「うにゃ!?」
ブホッ!ってなるのを堪えたら変な声出た……
ていうか!?なんで奴隷にそんなの出してんの!?
コーヒーの価値跳ね上がりすぎね!?こっちじゃ自販機に売ってるようなものだよ!?
「す、すいません、つい何も感じず飲んでしまいました!」
「はっはっは、構わんさ、さて、お前の仕事だが」
モグリマスターはそのまま話を続ける。
仕事……ついに来たか、まぁ多少は胸やお尻くらい揉まれても構わんよ!覚悟はできてる!
「とりあえず、小さい子達の面倒をみてやってくれ」
「……え?」
しかし、マスターから来た言葉は意外な事だった。
「聞こえなかったのか?」
「い、いえ、解りました」
「よろしい、あいつらはそろそろ起きるからな、屋敷の案内はそうだな、おい、居るか?」
マスターが呼ぶと馬の人が入ってきた。
「はい、お呼びでしょうか」
「こいつに屋敷の案内と仕事を教えてやってくれ」
「解りました、マスター、新人、ついてこい」
「は、はい」
色々構えてたけど何だが思ったより違う方向に話が言ったみたい?
とりあえず俺は馬の獣人に付いていった。
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