一体私の身に何が起きたのか──。
それは凄まじいほどに速くあっという間の出来事だったっす。というより私の理解がついていかなかっただけで、じっくり見られてひとつひとつ行われた事なんすけど。
「ふむ。なるほど魔術士になりたい、と。ならそこに立て、腕を水平にひろげて」
魔術士になりたいっ。そう伝えた私に指示が出る。いよいよっす。私を魔術士にするべく力を貸してくれるっす!
ぬぎ。
すぽーん。
とローブが宙を舞う。誰の? 私のっす。
ブーツが宙を舞う。誰の? 考えるまでも無いっす、あれも私のっす。
フリフリブラウスが宙を舞う、ブラウンの厚手の丈夫な生地のハーフパンツも宙を舞った。それももちろん私のっす。
残ったのはブラとうさちゃんパンツ。以上。普段は外に出ていない控えめなしっぽまで丸見えっす。
ここまでがダリルさんの手で、真顔で行われ、鼻で「ふっ……」とか言われた気もするけど、どこから出したのか白色のローブを頭からすっぽりとかぶせられて、腕を片方ずつ通されて……ブーツも新しいカワイイデザインのちょっと良さげなやつをはかされて。
これまたどこから取り出したのか、木製の先端に輝石のついたスタッフを持たされて、右手を前に出し、右足を前にしたポーズを取らされて
「うむ、よく似合う」
そう言われて頭を撫でくりまわされたっす。
「あー、可愛いですね! よく似合ってますよ!」
「ほんとにねー。何このうさ耳魔術士。超可愛い!」
どうしたらいいっすか? すっぽんぽんにされた事を怒るべきなのか恥じらうべきっすか……?
どちらを選択するか決めかねているうちに、どちらにも共通する現象は起きているっす。つまり……。
「「顔真っ赤にして、可愛いー!」」