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なっつん🐶💚
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#大人ロマンス
煉彩
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#不倫
さぶれ-SABURE-
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「あ、待って、秋也……ッ」
「待てというわりには、期待しているみたいだけど?」
耳元で囁かれ、暗がりに映し出された体を捩る涼二。天魔のなすがまま、翻弄され、あっという間に服をはぎ取られていく。
強引に脱がされ、今から奪われるかもしれない期待感と若干の恐怖心。それを待ちわびる体に仕上げていく。まったく触りもしていないのに、お見事ね。
ばさ、と最後の着衣まで脱がされ、涼二は男の前にその裸を晒した。私はスマートフォンの画面を確認しながら、彼らがむつみあっている客室へ急いだ。
「かわいいね。もうこんなになってるよ」
「ンンッ」
「すごくそそられる」
「ぁ……秋也……」
「ボクが好きって言ってよ、涼二」
「あ……」
「ホラ、早く」
色気とSっ気がたっぷりの天魔に迫られたら、どんなひとでも、その完璧な肉体の前にひれ伏してしまう。
鍛え抜かれた身体。逞しい筋肉。
天魔――その名はまさに究極の肉体美を体現している男。
圧倒的な存在感。ジャケットのその下に隠されていた筋肉は、まるで一流の彫刻家が年月をかけて削り出したかのように、無駄がなく、美しく引き締まっている。
厚い胸板、肩から腕へと続くしなやかで力強いライン。腹筋はもちろん割れているし、パーフェクトな肉体造形をしている。そこに、彼の象徴である刺青。涼二はこの暗がりの中、彼の体に刻まれた刺青まで見る余裕があるのかどうか、私にはわからない。
「あ、秋也……す……好き……」
「ん、もっと大きな声で。このカメラに向かって。君の伴侶と比べてどっちが好き?」
「あ、しゅ、秋也の方が好きっ……ああ……秋也……っ」
「いい子だね」
骨ばった手で天魔が耳朶を擦りあげると、涼二が女性のような悲鳴を上げた。
「あ、いや……ぁ……」
「嫌なの?」
「ち、違うよ……気持ちよくて……んんっ……」
彼らのお楽しみ中に、私は部屋へと滑り込んだ。カードキーで玄関を突破し、広い玄関にそっと靴を脱ぐ。抜かりなく自動照明はオフにすてくれている天魔の周到さに感謝する。
ただ、ピーッと扉を開ける電子音がしたけれど、そこは天魔がうまく涼二の愛撫を操作してくれて、自分の悲鳴でかき消されていた。
「期待してるの?」
「あ……意地悪しないで……」
「どうして欲しいのか、言ってくれなきゃわからない」
「……」
もじもじと恥じらいながら腰をくねらせる涼二。
「ほら、言って。涼二」
「……っ」
泣きそうな顔になる彼に、天魔が追い打ちをかける。
「言わなきゃなにもしないから」
「や、やだ……」
「じゃあ、どうして欲しいかこのカメラの前で誓える?」
天魔がスマートフォンを涼二に向けた。
「僕と初めての記念は、きちんと残しておきたいんだ。僕は涼二が好きだから。君は? 奥さんより僕を愛してるって、抱かれたい、って言ってよ涼二。そうしたらここ、触ってあげてもいいよ」
ピン、と切なげに立ち上がっている涼二の胸先を天魔が指で弾いた。途端に涼二が耐え切れなくなって叫ぶように言った。
「僕は君が妻よりも好きだッ! あ、愛してる! 抱かれたい……君に抱かれたい!!」
見事に夫が堕ちる瞬間を見届けた。ありがとう天魔。
これで心置きなく涼二を地獄へ送れるわ。
「よく言えたご褒美をあげようね」
期待を込めた目で夫が天魔を見つめる。少し彼の指先が夫の肌に触れるだけで堪らずに――
「はぁ……」
都内で指折りの高級ホテルのスイートルームに、先ほど、別れさせ屋の男に愛を告白したばかりの夫の甘い吐息が響いた。計算されつくして造られたガラス窓からは、この国の象徴とも言える東京タワーが闇夜に赤く浮かぶ姿が見えている。
重なる息遣い、肌の触れ合う距離。言い逃れができないほど、近い距離。
――僕は君が妻よりも好きだッ! あ、愛してる! 抱かれたい……君に抱かれたい!!
確かに夫はそう言った。間違いなくこの耳で聞いた。
証拠も撮れた。……彼のおかげで。
長かった。ようやく今までの苦労が報われる――
感情を噛みしめるように一歩一歩、力強く歩く。
部屋の奥へ行くと、興奮で荒くなる息使いや許しを請う声が聞こえる。そして私が用意した別れさせ屋(男)に縋りつくその姿。すべて、暴いて晒してやる!
足音を忍ばせ、柔らかい絨毯の上を歩いた。ほの暗い灯りの中で絡み合う姿をあぶり出すため、電気のスイッチを遠慮なく点けた。一気に部屋が明るくなり、豪華絢爛な内装を露わにしただけでなく、全裸の涼二の姿も浮かび上がらせる。
目の前の男と関係を持とうとしているその姿を、構えた一眼レフカメラでカシャカシャと撮影した。
「なっ……沙耶ッ、どうしてここにっ」
先ほどまで目の前の男に媚びるような目つきをしていたくせに、今では目を見開き、まるで化け物でも見るかのような顔で私を見る夫。冷美の変装は解いておいた。最後は私がとどめを刺すから。
「涼二。次、浮気したら慰謝料もらって離婚するって約束したよね?」
アンタのその腐った根性を叩きのめし、二度と立ち直れないようにしてやるために、苦境を乗り越え、今日まで頑張ってきたの。
「沙耶、違うんだッ。こ、これはその……彼は、男だよ? これは浮気に入らないよね」
なにが違うというの。私はもうすべてを知っていると言うのに。
その罠にまんまとかかった間抜けな夫。すべて、私の脚本どおり。
「これでもまだ、シラを切るの?」
机の上に証拠を並べていく。最初に浮気した時のもの、私を陥れようと策略したスクリーンショット、次から次へと、我ながらよく集めたものだ。
見覚えのある写真ばかりだからか、彼の顔がみるみる青ざめていく。
「男だって立派な浮気よ。その男に抱かれようとしていたんだから、肉体関係付きの浮気でしょ。潔く慰謝料払って離婚してね」
クズ夫、地獄へ堕ちろ――!!
コメント
1件
いやもう、沙耶の「クズ夫、地獄へ堕ちろ――!!」が全てだわ。天魔の完璧な肉体とSっ気で涼二が堕ちていく過程も最高だったけど、最後に証拠を全部並べて離婚迫るところ、めっちゃカタルシスww 計画通りすぎて笑っちゃう。でも「男だって立派な浮気」って切り返しはガチで正論だし、沙耶の覚悟が伝わってきて痺れた🔥