第四話 訪問者
蟹を倒した彼らは、一息つくように座り込み、「よしっ!解体だ!」と金髪の男が言う。
手慣れていた。さっき言った通り、何度も倒していることが窺える。俺は慌てて「私も手伝います!」と駆け寄る。
「——皆さんって、何者なんですか?」
核心を突く。いわゆる地雷かもしれないが、俺は気になっていたことを聞いてみた。
「、、、まぁ、なんだ、ちょっとな。放浪の狩人とでも思ってくれ。」
すみません、と言い、これ以上話すのは辞めておいた。まずい事を聞いたようだ。
「、、医療都市テルミニスって聞いた事ないか?」
「医療都市?もしかして、廃墟城塞のことですか?」
「あぁ、今はそう呼ばれてるんだったな。そこの事だ。そこはな、昔はテルミニスって立派な名前のある、デケェ都市だったわけよ。俺たちは、そこの防衛団の団員だった」
「医療都市なのに防衛する必要があったんですか?」
「そうだ。王国きっての医師たちが集まって研究をしてるから、他の国の奴らがよくちょっかいかけてくる。情報漏洩を防ごうってわけだ」
「まぁ結構、ヤバいことしてたみてぇだけどな」
「おいギーツ!」
「いいだろ別に。隠し切れる事じゃねえ」
「、、ヤバいこと?」
「いや、何でもない気にす——」
「人体実験、それも、奴隷を使ったやつだ。」
「いい加減にしろ!」
「ホルス、これはよ、王が隠しちまった悲劇だ。伝えて行くべき事実だ!」
「くっ、、」
金髪の男はやれやれと首をさする。
「、、奴隷法四条に、奴隷の権利についての記載がありますが、最低限生活していける寝床と金銭を与えると書いてあります。これは、それに違反していますよね?」
「その通りだ。しかも死亡事故も起こってる。真っ黒なんだよ、この国は。表面上よく見えてるだけで、実際のとこクソみたいな実験繰り返してるやべぇ国なんだ」
「でも、それは病気を、治す為のことですよね?」
言い聞かせる、そうだ、これは病気を治す為のことなんだ、と
「いや、こいつは兵器利用する為の実験なんだよ。生体兵器って聞いた事ないか?」
希望は砕けた。
「、あります。確か、魔獣を制御して敵を攻撃する、とか言ってましたよね?」
「ソイツを人間でした場合、どうなると思う?」
「わかりません、」
「正解はな、発狂して自分の頭を自分で潰しちまうんだ。しかも制御されてるから簡単には死なない。酷いもんだよ」
想像して、気分が悪くなる。なんて事だ。
、、、この国は、真っ黒なようだ。
第四話 完
(、、これ、最高位機密なんだけどなぁ。ギーツ、なに話しちゃってんだ)
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投稿遅れ、申し訳ありません。仕事詰めで時間がなく、、。積極的に投稿しますので、是非読んでください。
コメント
1件
お前ッ…小説書くの上手いな、嫉妬していい?いいなよし