テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
パンダみたい😆
モノレールの立川北駅で下車した四人は、デパートのすぐ近くにある大きなホテルへ入っていく。
開放的な空間には、木目調の細かい梁が巡らされ、淡い光の間接照明がロビー全体を包み、落ち着いた雰囲気のホテルに、美花の心が癒されていった。
ラウンジに向かい、彼女はアイスティ、他の三人はブレンドコーヒーを注文する。
「彼は、俺と怜の小中学校時代の同級生、トランペット奏者の響野侑。隣の女性は、侑の奥さんで、瑠衣さん。二人は、立川音大で師弟関係だったが、先月、結婚したばかりなんだ」
圭が美花に響野夫妻の紹介をすると、侑と瑠衣に会釈をされる。
「で、彼女が、奏さんの小中学校時代の同級生、浦野美花さん」
「はっ……初めまして。浦野美花です」
「わぁ…………奏ちゃんの小中学校時代のお友達なんですねっ」
「はい。かなチーは、私の数少ない親友の一人ですっ」
美花がいつもの癖で友人をあだ名で呼んだ瞬間、目の前の響野夫妻がキョトンとした表情を浮かべた。
「かなチー……ああ、奏ちゃんの事なんですね」
「すみません……つい友人をあだ名で呼んじゃうんです……」
言いながら、美花は響野夫妻をそれぞれ凝視していると、おにーさんは、何かを察したのか顔色をサッと変えた。
「美花さん…………もしかして……」
「あっ……分かっちゃいました?」
美花は微苦笑をしながら、こめかみに触れる。
「…………圭。何を企んでいるんだ?」
彼と美花のやり取りを見ていた夫の侑が、猛禽類を思わせる眼光を突いてくる。
「いや、何も企んではいない。彼女、あだ名を付ける癖があるんだ。俺と怜にも、美花さんからあだ名を付けられた」
「…………ほぉ。で、葉山兄弟は、彼女から何と命名されたんだ?」
「怜は……れいチェル……。俺は…………けいトン……」
「ブフッ……」
侑が吹き出しそうになりながら顔を背け、ペーパーナプキンを掴むと、唇を拭った。
「じゃあ美花さん。侑さんと私だったら、どんなあだ名を付けてくれます?」
「う〜ん…………そうですねぇ…………」
美花が遠くに眼差しを向けながら、顎に手を添える。
「…………ユウユウと……ルイルイ?」