テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

第三十三話「模倣の仮面、窃取された顔」


🔪登場:ミレイ


深夜の美容整形外科。

診察台の上に座る少女は――

ミレイ・ヴァレンタイン。


二十代前半。

真っ白なワンピースに、艶のある漆黒のストッキング。

その顔は**“完璧な美”を再構築したマネキンのよう**に整っていた。


だが――

その美貌は“誰かの顔”だ。

彼女は他人の顔を剥ぎ取り、それを自分の顔として縫い付けて生きている。


「今日の“彼女”は、ちょっと小鼻のラインが甘かったけど、

肌質はパーフェクトだったわ。」




🔪スケアリーの実況「他人の顔ミルフィーユ」


「ッッひょああああああああ!!!!!」

スケアリーが診察台の下から顔だけ出し、笑い狂う。


「きたねきたねきたねきたねきたねッ!!

“皮膚という前菜”を、他人から剥がして重ねる料理人!!!!」


「顔の層をミルフィーユみたいにして、

その日の気分で“人格を選ぶ”のよ!!!!」


「今日の彼女は“社交的な女”、

明日は“陰気な図書館司書”、

その次は――“君の母親”だぁぁああ!!!!」




🔪ミレイの儀式


クーラーボックスを開けると、

中には保冷された“生皮”が数枚。

ラベリングにはこう記されている。


A型・長女・28歳・社交的・美容師


B型・高校生・大人しい・ピアニスト志望


O型・教師・離婚歴あり・感情希薄



「今日は“高校生の私”にするわ。」

冷静にメスを握り、

今つけていた顔を剥がし、新しい顔に縫い替えていく。


血は滲まない。

慣れた手つきで、痛覚はすでに死んでいる。




🔪ユリウスの独白


「“顔”は、その人の看板だ。

それを盗むってことは、“人生を試食する”ってことだ。」


「でも彼女は……

“どれを食べても満足できなかった”んだな。


“本当の自分”を知らないまま、

他人の味だけを味わい続けてきた料理人――」




🔪スケアリーの食レポ「顔皮の冷製テリーヌ」


「これはねぇ……

**“恐怖が一切ないホラー料理”なんだよ!!!!」」


「顔っていう食材が、

ただの“日替わりのメニュー”になってる!!!!」


「しかもどれを食っても、

**“満たされない味覚障害”!!!!」」


「この女、

“何を食べても空腹が消えない”っていう

**“人格の断絶グルメ”なのよォ!!!!」




🔪ラスト:ミレイの鏡写し


鏡の前。

新しい顔をつけたミレイは、微笑む。


「これが、今日の私。

たぶん、誰かにとっては“愛された顔”よね。」


「でも私は――

誰にも、愛された記憶がないの。」





次回 → 第三十四話「顔の裏のフレーバー」

スケアリーイズム - 完全犯罪のレシピ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚