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文才凄いすね…国語得意そう… 単語の選び方がもうそれ…です。 楽しみにしてますわぁ…。
[secret story:1]
「また、不正解?」
血まみれの男の前で、僕は呟く。何度繰り返しても変わらない、この結末。僕だけが無事なことに苛立ちを覚える。何故、違う未来にならない?僕は、いつまで彼を看取らなければならない?頭の中は疑問で埋め尽くされた。
「おれ、しぬのかぁ」
最期の刻でも、彼はおちゃらけている。変わらない彼に懐かしさを覚える。もう、何回繰り返したかもわからない。
しなないでくれ
僕の喉から出た声は、酷くかすれていた。彼はもう、喋ることすらできない。瞳に光を宿していない彼を見つめた。
なんて、神様は残酷なんだろう。他人の死は、ずっと、何にも思ってこなかった。でも、彼だけは違う。此れを言い表すなら、呪いだろう。彼が死んで、涙が出ない自分に嫌気がさす。もう、とっくの昔に、枯れてしまったのだろうか?溜息は、誰もいない世界に溶けていった。
倒れた電柱、灰になった建物。この世界線は、誰もいない終末世界。僕はもう、たった独り。また、やり直しかぁ。僕はいつになったら、赦されるのだろう?僕の声だけが響く。答えは返ってこない。
さぁ、次はどんな世界かな?
空を見上げると、嫌なくらい輝く星が浮かんで見えた。其れは、彼の瞳のように______。
嗚呼、また間違えた。
第0章:淵源
星空は青空と正反対