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「あひた? あひたはね……」

口をゆすいでゆっくりこちらを向く。

「未央は仕事、5時上がりだっけ」

「うん、そう」

レシピ開発部の仕事もあって、イブは休みが取れなかった。次の日はなんとか休みをもぎ取ったけど。

「僕は休みだから、先に行って待ってるね。◯◯駅で待ち合わせしよ」

「えっ、◯◯駅って……」

「お待ちしてますね、お姫さま」

15王子様のプロポーズ

クリスマスイブ、17時。

未央は脱兎のごとく本社スタジオを飛び出して、亮介と待ち合わせた◯◯駅へ向かった。

◯◯駅は、夢の国の最寄駅。心臓の高鳴りが、脳天を中から突き破って月まで届きそう。

高鳴る胸を押さえながら、亮介に仕事が終わったと連絡をした。まさか、夢の国のイルミネーションだとは思ってなかった。

泊まりということは、どこかホテルも取ってくれたんだろうか。妄想が妄想をよんで、ニヤニヤが止まらず、電車の中でずっと太ももをつねっていた。

駅に近づくと、ライトアップされたお城が見えてくる。それだけでテンションはブチ上げだ。

小走りで改札を出ると、いつもよりちょっとおしゃれをした亮介が腕時計を見ているところだった。

あまりの美しい姿にしばらく見惚れていると、こちらに気がついて手を振ってくれた。未央はいそいそと歩み寄る。

「お待ちしてました、お姫さま。さあ参りましょう。荷物、持ちますね」

お泊まりセットの入ったカバンを未央から受け取って、亮介は手を差し出した。未央は自分の手を上から重ねて歩いていく。

全身が光るくらい、幸せオーラがダダ漏れだった。エレベーターにのると、最上階のボタンを亮介は押した。

えっ? 最上階? いったいどんな部屋にしたんだろう。

エレベーターを降りて、いちばん奥のドアの前で亮介は止まった。

「さ、お姫さま。心の準備はいい?」

どきどきし過ぎて心臓が痛い。ふーっと息を長く吐いてうなづくと、亮介はドアを開けた。

──ガチャ

電気をつけるとそこは、おとぎの国だった。スイートルームいっぱいに散りばめられたバルーンがお出迎え。窓の外にはライトアップされたお城。テーブルには、シャンパンとケーキがすでにスタンバイしてあった。

うわーーーーっ!! と思わず叫んでしまうほど、にわかには信じ難い光景だった。

「りょ……、亮介、これ……」

「喜んでいただけました? お姫さま」

ぶんぶんと首を縦に振るのが精一杯。

開いた口はなかなか塞がらない。

「ケーキ食べよっか」

亮介は未央の手を取ってソファーに座った。

「なんか、夢みたい! ちょっとほっぺつねってよ!」

「そんなことしなくても、夢じゃないですよ。メリークリスマス、お姫さま」

カチンとシャンパングラスを合わせる。

ふたりで食べるのにちょうどいい大きさのかわいらしいケーキ。もう夢のような時間で、体が浮き上がりそうだった。「ありがとうね、こんなすごい誕生日初めてだよ」

「まだ25日になってないでしょ? プレゼントはちゃんとあした、用意してあるんから」

「はぁ……。そうなの?」

これ以上もっといいことがあるの? 未央はもう十分すぎるくらいだと思ったのだが、あしたのお楽しみと言われてしまった。

ケーキを食べてお腹いっぱいになり、いよいよ眠たくなってきた。

「ふぁぁ、眠たくなってきちゃった……」

「待って未央! いまからいいとこなの! ちょっと寝室きて」

なになに? 眠い目を擦りながら亮介に手を引かれて寝室へいく。

「なに……これ」

そこには幼い頃、自分が着てみたいとだだをこねた、水色のきれいなドレスが置いてあった。

「たぶん、サイズこれでいけると思うんだけど……」

「……」

あまりのことにピシッと固まる。これ? 今から着るの?

すき、ぜんぶ好き。

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