テラーノベル
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ダンス部の見学を終えて、案内やパフォーマンスをしてくれた三人に頭を下げた。
💙「ありがとうございました」
🩷「また来なよ!」
佐久間が手を振り、ラウールは少し名残惜しそうに笑う。
︎🤍「まだ居てもいいのに」
岩本は静かに頷いただけだった。
──
廊下に出て、ふうっと息を吐く。
……今日は情報量多すぎ
サウンド部、ダンス部、Snow Man。
実力がすごいってことも、思っていた以上に別世界だったことも、嫌なほどわかった。
もう帰ろ
そう思って歩き出した、その時。
「渡辺くん」
低く落ち着いた声。
誰?
振り向くと、そこにいたのはにこっと笑う阿部亮平。
💚「少しいいかな?」
よくねぇよ!
もうSnowMan勘弁してくれ……
断る理由も見つからず、俺は無言で頷いた。
多分一番SnowManの中で優し人、だと勝手に思ってるし。
それにラウールのパーティーの時助けてくれたから、いい人ではあるんだよな。
💚「ごめんね急に、帰るとこだったよね」
💙「いえ…これから予定もないですし…」
気まずい……
💚「着いてきて」
そして連れていかれたのは、前にも来た図書館。
人の気配のない、あの奥まで。
阿部さんは何も言わずに、本棚の前に立った。すると、
決まった順番で、数冊の本をそっと倒していく。
💙「…?」
カチャ
小さな音。
本棚を押すと、そこが開いた。
隠し扉?
💙「……すげ」
思わず声が出る。
でも、嫌な予感が背中を這った。
💚「こっちだよ」
阿部さんは淡々と言う。
逆らえず、ついて行く。
そこの中は小さな部屋だった。
ソファと机、本棚。
一人で使うには十分すぎる空間。
秘密基地みたい…
そう思った瞬間──
ドサッ
視界が一気に傾き、背中に柔らかい感触。
💙「……っ?!」
ソファに倒されていた。
💙「阿部さん?!」
両手を取られ、片手だけで押さえられる。
動けない……
阿部さんは感情の読めない目で、俺を見下ろしていた。
💚「これ、見て」
差し出されたのは、一枚の写真。
ラウールと”翔子”
俺の女装した姿。
💙「……?!」
思わず顔を逸らす。
💚「この子知ってる?」
💙「…知らないでth」
動揺のあまり噛んでしまった。
💚「ほんとに?」
💙「……」
💚「俺この日、この子が変な男に言い寄られてるとこ、助けたんだよね」
阿部さんは、その翔子を指差しながら言う。
💙「へ、へぇ〜」
💚「ねぇ、本当に知らない?」
💙「…はぃ、はじめて見ました…… 」
💚「じゃあ、この口元のホクロは?」
💙「んっ……」
阿部さんの指先が、俺の口元に触れる。
くすぐったい
💚「じゃあ……」
制服のシャツを触れられ、
ボタンが一つずつ外れていく。
💙「やめっ」
抵抗するも、両手を握られ、上に乗られてるから動けない。
💙「離して…っ」
💚「この、首元のホクロは?」
ゆっくりと俺の首を撫でられる。
💙「っ……」
心臓が、うるさく鳴る。
💙「し、知らない」
弱々しく答えると、
阿部さんは少しだけ笑い、俺の耳元に近ずいた。
💚「翔子ちゃん」
その呼び名にゾッとする。
💚「なんで女装してたの? ラウールに弱みでも握られてる?」
💙「……」
💚「それとも、趣味?」
💙「違います」
💚「じゃあ」
阿部さんの目が鋭くなる。
💚「こんなことして、俺たちに近づこうとしてる?」
その表情が、怖かった。
知的で、優しそうな仮面が、完全に剥がれてる。
💙「ち、違います…!」
必死に否定する。
違う、違う違う
俺はまず、お前らとは一切近づきたくないんだけど
でも、そんなこと言えない。
阿部さんに完全に疑われてるし
やばい、どうしよ……
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この作品を読んでくださってる方が多くて嬉しかったです。いつもありがとうございます!
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