テラーノベル
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阿部さんは、しばらく俺を見下ろしたまま動かなかった。
……長い。
心臓の音だけが、やたらとうるさい。
💚「安心して」
ふっと、力が抜ける。
阿部さんの手が、俺の手首から離れた。
💚「今すぐ、どうこうするつもりはないよ」
ゆっくり身体を起こされると、
阿部さんは机の上にに腰掛けた。
さっきまでの圧迫感が嘘みたいに、姿勢は落ち着いてる。
でも、それが逆に怖い。
💚「女装してたこと」
💙「……」
💚「正直、どうでもいいよ」
……え
思わず口が開いた。
💚「ラウールに頼まれた、とかでしょ 」
図星で言葉を失う。
💚「あの子、ああ見えて計算高いからね。パートナーが必要で、条件の合う子を選んだ。それだけ」
まるで、全部分かってたみたいな口ぶり。
💚「ちょっと意地悪してみたかっただけ、ごめんね」
するとまた阿部さんの顔が険しくなる。
💚「俺が気になってるのは、そこじゃない」
💙「え?」
💚「渡辺くん」
名前を呼ばれただけで、背筋が伸びた。
💚「少し、調べさせてもらったよ」
💙「何を…?」
💚「君の家、一般的だよね」
笑顔のまま、言葉だけが鋭い。
💚「この学園には、成績さえ良ければ誰でも入れるよ。でも…」
💚「庶民が卒業するのは別の話」
喉がひりつく。
💚「今はまだいいよ。成績もいいし、目立ってない」
阿部さんは、楽しそうに続ける。
💚「でも、そのうち必ず白雪狩りに遭う」
💙「っ…」
💚「早ければ、半年。遅くても……1年かな」
やめてくれ…
💚「噂って、金より早く回るから」
にこっと、意地悪に笑った。
💚「今すぐ、狩ってもいいんだけど」
心臓が跳ねる。
💚「でも」
阿部さんは視線を外し、少し考えた。
💚「渡辺くん、使えそうだし」
その一言で、全身が冷えた。
💚「それに……」
言いかけて、やめた。
💚「まあ、今はそういうつもりないよ」
今は…って
阿部さんはポケットからスマホを取りだした。
💚「だから、連絡先教えて」
💙「……え?」
なんでそうなる
💚「今の立場、わかってるよね?」
拒否できる空気じゃない。
震える手でスマホを操作し、LINEを交換する。
💚「ありがとう」
阿部さんは満足そう
💚「また時間ある時に呼ぶから」
💚「その時は、ちゃんと来てね♡」
ゾワッ…
──
部屋を出るとき、背中に声がかかる。
💚「安心して、君のこと、俺が一番うまく使うつもりだから」
その言葉が一番怖かった。
💙「……はい」
廊下に出た瞬間、足がふらつく。
……ははっ、終わった。
ラウールには庶民てバレて、
そして今、阿部さんにも。
阿部さん優しくていい人だと思ってたけど、なんか裏切られ感…
この学園がおかしいのか、それともSnowManがおかしいのか。
ここは、才能と家柄で、人を選択される場所なんだ。
俺、完全に目ぇつけられてるじゃん……笑
もう笑えないって。
そして俺はうずくまるように、その場に座った。
─番外編─🩷side
🩷「♪〜」
部活を終えて、帰宅しようと廊下を歩く。
今日の見学に来てた子 、なんか頭から離れないんだよな。
ラウールに手を引かれて、戸惑った顔しながら入ってきた、あの子。
可愛かったな。素直にそう思う。
うわー、名前聞いとけばよかった
てかラウールと手ぇ繋いで来てたってことことは、仲いいんかな?
それとも、ラウールのお気に入りだったりして。
🩷「ふーん……」
口元がちょっとだけ緩む。
もしさ、
俺があの子に、ちょっかい出したら
ラウール、どんな顔するんだろ。
想像したら、ちょっと楽しくなってきた。
あいつ分かりやすいからなぁ。
そんなことを考えながら角を曲がると、ちょっと向こうから人影。
🩷「あれ、阿部ちゃん」
声をかけると、すぐにこっちに気づき手を振る。
ちょうど帰りらしく、阿部ちゃんも足を止めてくれた。
💚「佐久間、帰り?」
🩷「そーそー」
並んで歩き出しながら、ちらっと阿部ちゃんを見る。
……なんか、今日はやけに機嫌がいいみたい
🩷「今日、阿部ちゃん機嫌良さそうじゃん」
💚「分かる?」
すごい笑顔
💚「最近、少し退屈だったんだけどね」
🩷「ふーん?」
💚「これから楽しくなりそうだから」
妙に引っかかるな。
…あぁ、これ。誰か、目つけられたな
🩷「へぇー」
ま、俺もこれから楽しめること見つけたんだよな〜
明日のオリエンテーション来てくれたらいいな〜
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♡とコメント待ってます!
コメント
10件

一気に読んでしまいました! めちゃめちゃワクワクしています! おもちゃ見つけて楽しそうな💚が どんな出方をするのか楽しみです! もちろん❤️がどこのポジかも 予想ついたので部活編楽しみです!!
続き待ってます!
今日もめちゃくちゃ面白いかったです!!ブラックあべが出てて最高💕 コメント遅れてごめんなさい〜! 今日も♡1000失礼します!