※このエピソードには、心的外傷となりうる描写が含まれています。これは暴力や性的表現を用いたセンセーショナルな演出ではなく、社会的に不可視化されがちな実態を描き、現実の理不尽に光を当てるためのものです。どうか、作品の意図をご理解いただいたうえで、読み進めてください。
「9831番」
私の新しい名前、9831。
別になんて言われようが どうでも良い
ノリが効き過ぎている服は
なんか 萎える
「人殺し」
独房入り
いいね、独房
うるさくねーし
どうせ 人殺しなら 死刑とかだろ
早く 殺れよ
カッシャ
扉の隙間から 飯が 出て来た
昼飯は なんかへんな スパゲッティ
あははは へんなのーーー…………
汚れた口を 袖で拭く
腹いっぱいには ならんけど
寝るか
ベッドに向かう
「あら……?囚人さん、相撲の力士みたいにお昼寝かな?」
なんだ?この女?
ポマード野郎みたく、黒のスーツに全身タトゥーとか?
なんなんだよ!!
もうすぐ死刑なんだよ、こっちは。
カッコええ男も女も、出て来んな。濡れるじゃねぇか。
クソが!!
あぁ、逝かしてくれ……………………
「あぁ……てめーは、死にてぇの?」
死ぬ?誰が……?あぁ、あたしか。
知るか、そんなもん。
女は、看守と話す。
看守は部屋の鍵を開けて、私に手錠を掛けて来た。
別室に移動。
他の部屋からは、奇声や暴れる音が響く。
さっさと、殺してやればいいのに。
で、っと…………
タトゥー女は分厚い資料?か、なんかを机に置く。
「今まで、大変な思いをして来たね。」
あっ…………なんだこいつ…………
なぜ今…………それ言う…………?
「心配すんな。あたしがあんたを……救う。」
眼が……濡れた
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