※たまに「.」という黒い点がありますが、それは空間を開ける為の点です。
「皆さんこんにちは。」
先生が皆の前に立ち、挨拶をする。
『こんにちは。』
そして私と他の生徒達は同時に挨拶を返す。
「まずはいつもの準備運動よ!私のあとに続いて!」
「あ〜↓あ〜→あ〜↑」
『あ〜↓あ〜→あ〜↑』
「あ〜↑あ〜→あ〜↓」
『あ〜↑あ〜→あ〜↓』
で、これを数回繰り返す。地味に疲れるんだよね、これ。
「準備運動も終わったし、皆1回通してみようか!」
『はい!』
今回ここの演劇団が演じるのは
「レ・ミゼラブル〜ああ無情〜」。
…実はミュージカルだ。
─遡る事数ヶ月前、稽古場にて
「は、はぁぁぁぁ?!」
「だから、今回やるのはミュージカルよ!」
師匠はふふん、と鼻を鳴らした。
私達、歌なんてやったことないのに、歌を間あいだに歌えってどういうことよ…。
「じゃあ、役を発表するわね。」
そんな事を考えていたら運命の役発表の時が来た。
「えー、、まず、主人公のジャン・バルジャン役は─」
「ヘレン、貴方で決まりよ。」
「はい」
「やっぱり今回はヘレンかぁ〜…相変わらず主役がお似合いだよね〜♪」
そうローラが私の横からちょっかいをかける。
「ふふ、そういうローラも主役回数多い癖に!」
ローラが私にちょっかいをかけると私がちょっかい返しした。
元々、私とローラは演技が上手いので、物凄い頻度で私達が主役に抜擢される。
でもでもっ、私の方が演技が上手いし。
. . . . .↑ここ重要
そうこうしていると師匠が咳払いを1つ。
「次、コゼット役は─」
「ローラ、アン、貴方達よ。」
「はい。」
「はーい!」
コゼット役か…ほぼ主役に近いな。
ちなみにアンという女の子は齢7の幼女だ。
いつも明るく、皆に愛されている。
「次、司教役は…」
とまぁ、こんな感じで…
私歌ったことないし!?
「…レ…?」
あれれ、何か聞こえたような…
「ヘ………ン!」
ん?変?
「ヘレーーーン!!」
「何ぃぃぃ!!!!?」
どうやらローラがずっと私に喋りかけていたようだ。
ごめんごめん。
「ん?あーいやぁ、話しかけても全ッ然気付いてなかったからさ!?」
「え、嘘でしょ!?」
「嘘じゃないもんホントだもん!」
「ローラちゃん見たもん!!」
ローラが「私のトロロ」という話のゆいという登場人物のように言った。
「ねぇ師匠!!?」
そうローラがいきなり師匠に話を振った。
「え?あー、そ、そうだったね」
師匠は少し困り気味に答えた。
「ほら!」
ローラが自慢げな顔をして私を見つめる。
「し、師匠が言うなら……」
「ふっへへへー」
凄く悪い顔をしているローラ…。
師匠を武器にしやがったぜローラめ!
…さっきからローラローラ言ってるよ…
エヘンオホン、話がズレた。
それからというもの、私は1時間の練習を終えた。
生徒らが足早に廊下に出て行く。
「ヘレンちゃーん!」
時刻は午前9時。帰る支度をしている途中に、コゼット役のアンが私に笑顔で話しかけてきた。
「どしたの?アン」
「これあげるわ!」
そう、彼女が手渡してきたのはボロボロの毛糸の手袋。
「ありがとう!これ、どうしたの?」
「ヘレンちゃんの為にーっておかあさまと一緒に作ったのよ!」
先程のローラのようにアンも自慢げな顔をしている。
「そっか!アンはお裁縫が上手なんだね」と私はニコッとアンに笑いかけた。
「そうよ!あたし、天才だもの!」
アンがまだ小さい手を腰に当てた。
「ふふ、この手袋、大事に使うね」
「えへ、大事に使いなさいね!」
「はーい!」
「じゃあ、さようならー!」
アンはそう言い放って稽古場から出ていき、もう一度こちらに振り返って手を大きく振った。それに返すように私も大きく手を振った。
あとがき
こんにちは。またはこんばんは。
作者でございます。
えー、今回アンという可愛いお嬢様的な女の子が出てきましたね。
正直、私の性癖にぶっ刺さるようなキャラなので書きながら「キャー♡」とか「んふんふぅー♡」とか叫んで書いていました。同士求む((
てな訳で順調に勉強して順調に書き進められています。
あれれ、いつの間にか1700文字に……
投稿日
2023/01/21 22:07:55
コメント
22件
アンちゃん可愛いけど、キャラ豹変しませんように
アンちゃん可愛ええw 叫ぶのはいいけど喉壊すなよー あと,近所迷惑にならないようにな〜w