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ホテルへ到着すると、理紗子はチェックインを済ませてから部屋へ向かう。
部屋へ入ると、目の前にはエメラルドグリーンの美しい海が広がっていた。
「なんて美しいの!」
理紗子はうっとりしながらその素晴らしい景色を見つめていた。
もうすぐ日没の時刻を迎える。
理紗子はプライベートビーチへ行って夕日を見る事にした。
ホテルのプライベートビーチは夕日の絶景スポットとしても有名なので、夕日の写真を何枚か撮りたい。
その後はそのままレストランへ行こうと思っていた。
一方、その日の朝、健吾は少し早めに起きた。
ニューヨークタイムの相場に張り付いていると眠りにつくのは明け方になるので、
普段は昼近くまで寝ているが、今日は朝七時に起きた。
今日は少し忙しくなる予定だ。
出かける前にコーヒーを飲みながら理紗子のSNSのつぶやきサイトをチェックしてみた。
思った通り、理紗子は空港や飛行機からの写真をリアルタイムでSNSにアップしている。
「リアルタイムでアップなんかしたら危険だろう。一応彼女は有名人なんだし…」
思わず健吾は呟く。
健吾は旅に行ったとしても、リアルタイムでのアップは絶対にしない。
もし今いる場所をリアルタイムでSNSに載せてしまったら、家に空き巣に入られる危険性だってあるのだ。
ましてや女性の場合は更に危険だ。
今いる場所をリアルタイムで自分から教えるのは、ストーカーにどうぞ来て下さいと言っているようなものだ。
だから絶対にすべきではない。
どうしてもSNSにアップしたい場合は、時間差を設けてアップすべきなのだ。
しかし理紗子はいつも瞬時にアップしているようだ。
今度会ったら、この件を理紗子に注意しなければと健吾は思っていた。
それから健吾は出かける準備を始める。
今日は昼前に家を出る予定だ。
一方、石垣島ではそろそろ日没を迎える時刻となっていた。
理紗子は小さなバッグを手にして部屋を出る。
ホテルのプールサイドを横切り、プライベートビーチへの階段を降りる。
真っ白な砂浜を歩いて行くと、エメラルドグリーンの海がすぐ目の前に広がっていた。
そして宿泊客が何人もビーチに集まっていた。
理紗子は人気の少ない左側のビーチへ向かって歩き始めた。
静かに打ち寄せる波音が耳に心地よい。
海からは時折優しい風が吹いて来る。
理紗子は砂浜に置かれた白いガーデンテーブルを目指して歩いて行った。
そこまで辿り着くと椅子へ腰を下ろす。
(夕日はここから眺めよう)
座って空を眺めていると、徐々に太陽が沈んで来た。
オレンジ色の太陽光が空一面を鮮やかに彩る。
その光は海面に一本の道を作り波に揺れながらキラキラと輝く。
なんとも抒情的な風景だ。
東京では見る事の出来ないその美しい景色を、なんとか写真に収めようと理紗子はスマホを構えた。
そしてシャッターボタンを何度も押す。
何とも言えないこの美しい光景は、新作の小説にも是非盛り込みたい。
その為にも写真で記録しておかなくてはと、理紗子は何枚も写真を撮った。
そしていよいよ日没のクライマックスが来た。
先ほどまで鮮やかだったオレンジ色の光は、海の青に吸い込まれるように消えていく。
やがて太陽は沈んだ。
理紗子はそのあまりの美しさに思わずため息を漏らす。
そしてしばらく動けずにいた。
(なんて美しいのかしら。ここはまるで天国だわ!)
理紗子はしばらく余韻を楽しむかのように、海をじっと見つめ続けていた。
辺りが薄暗闇に包まれる頃、プールサイド脇にある松明に火が灯されていった。
ヤシの木を背景に燃え盛る松明を見ていると、今自分が南の島にいる事を実感する。
そして理紗子はとてつもない解放感に満たされていた。
その後理紗子はプールサイドをゆっくりと歩きながらホテルへ戻った。
そして南国での初めての夜を楽しもうと、レストランへと向かった。
コメント
2件
やっぱり‼️健吾はしっかり理沙ちゃんの癖を把握済🤭しっかり注意してやって‼️そして健吾も石垣島へ〜かな✈️😉👩❤️💋👩🎶
すぐアップそこは確かに心配だよね😥言ってあげて〜🙏でもすぐだから健吾も理紗子ちゃんの動きを把握できてるんだよね😅