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食堂。
そこに、鳳崎と深瀬が二人でいた。
「なあ深瀬、昨日の神戸牛がまだ腹に残っとる気がすんやけど」
「その割には串カツ爆食いしてますね」
二人は串カツを堪能していた。その他にも、粉ものがたくさん並んでいた。
「いやいや、別腹や……ん?」
そこへ、一人の艦娘が近づいてきた。
「お、吹雪ちゃん。どないした」
それは、吹雪。二人のテーブルに並ぶものの量を見て少し驚いたあと、ゆっくり口を開いた。
「つかぬことをお聞きしますが……お二人はいつもこんなに明るいんですか?」
二人は少しポカンとしたが、頷きながら口角をあげた。
「まあな。深瀬とおったら、いっつも笑顔になれるで」
「俺もですよ、鳳崎さん!」
そして、笑う二人。それを見た吹雪は何かを決めたような表情をすると、突如頭を下げたのだ。
「おわっ! 吹雪ちゃん!?」
「お願いです! 二人に助けてもらいたい人がいるんです!」
「助けて……もらいたい人?」
彼女は頷くと、詳しいことを話しはじめた。
「この鎮守府に……鈴谷という艦娘がいます。その人を助けてください」
その鈴谷は、悲しい艦娘だった。
もともと、彼女はとても明るいJKのような感じだった。半グレが現れても、その明るさで他の者達の心の支えとなっていた。
だが、ある日のことだった。
深海棲艦との戦いで、彼女は動けなくなってしまった。敵艦の砲撃が襲いかかってきた時、彼女の大切な姉妹艦「熊野」がその身を呈して鈴谷を守ったのだ。結果的に彼女は助かった。だが……熊野は助からなかった。
その日以来、鈴谷は変わってしまった。明るさは失われ、毎日うわ言のようなことを呟くようになってしまった。
そして、その心を半グレに狙われた。ここぞとばかりに半グレは彼女に薬物を売りつけた。彼女はすぐに中毒者になってしまい、それは今も続いているそうだ。
「二人は裏神の中で特に明るい。そして、鳳崎さんは鞄を盗まれた私を一瞬の判断で助けてくれました……今、二人になら頼めるんです! どうか、お願いします!」
二人は考えることもしなかった。間を開けず、声を張り上げた。
「任せときや! 俺らがその娘を元に戻したる!」
「そのためにも、まずは鈴谷さんの様子を見ときたい。案内してくれまへんか」
「……ありがとうございます!! 本当に……!」
そして、吹雪は二人を連れ艦娘寮へと向かった。多くの部屋があり、入り口にはその部屋で過ごす艦娘の名前が書いてあった。
「……ここです」
一つの部屋の前についた。入り口には鈴谷の名前だけが書いてあった。
鳳崎が慎重にドアを開ける。
「入るで……」
その時、彼らはドアの向こうに広がっていた光景に息を呑んだ。
物はぐちゃぐちゃになっており、床はゴミだらけ。歩くスペースが限られてくるのだ。
そして、その中央には…….
「あああ……気持ちいい……」
今まさに、注射針を刺している鈴谷の姿があった……。