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「ファレル先生、1つ質問があります。」

学園で授業が終わった後ファレル先生を見つけて俺は話しかける。

「言ってみなさい。」

「ユリアス王子の件です。古くからの知り合いだとか。幼い彼に魔法を教えたと聞きました。そんな先生にお願いが。この手紙を彼に手渡してほしくて。」

「どうして私とユリアス王子が知り合いだと?」

「王宮に関係者でない人間が立ち入る場合、身分証明をした上で、立ち入りが記録されます。特別許可証があればそれを回避できますが、それには立ち入りを認める王族自らが申請する必要があります。その記録は公開されていますからね。」

この返答は部分的には誤りだ。ファレル先生の記録は俺がここに来た日にはアルヴィアンの使用人たちが自発的に調べ終わっていて、その調査報告を見て知った。アルヴィアンの情報収集能力は凄まじいの一言だ。

その結果としてファレル先生とユリアス王子の密接な関係は簡単に調べがついた。幼い彼に魔法の心得を教えたのもファレル先生で、学園の教育過程でユリアス王子の指導教官を務めたのもファレル先生だった。

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