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僕たちは地下室を出て、部屋に戻った。そして男のこれまでの人生を聞いた。
男の名前は福田志郎。娘はわかな。行方不明の嫁は湊というらしい。
志郎さんは和也さんと同じ大学の出身で、同じ大学のOBとして和也さんの研究所に入り、ロボットの開発に携わった。
彼は元々ロボットが大好きであったが、例の事件がおき、彼は襲われて左手を失ってしまった。そして事件に対しての責任感を強く抱いてしまった。以降ロボットが怖くなり、このような凶行に繋がったのだという。
「石田和也は凄い奴だった。本気でロボットで世界良く変えようとしたんだ。だが結果悪い方向に変えてしまった。本心、あいつは悪く無いと思ってる。悪いのは感情を持ったロボットを悪用していた世界中の連中さ。あとは周り環境のせいにして怒りの矛先を間違える俺みたいなやつだ。」
男はこう言った。僕はそれを聞いてこう返した。
「自分に自信を持ってください。確かにあなたは過ちを犯してきたかもしれないけど、罪は償えます。あなたは技術者なのだから、その技術をこの世界の復興に対して使ってみてはどうですか。きっとそれが罪滅ぼしになりますよ。」
僕がそう言うと男は「そうだな、考えてみるよ。」と呟いた。
充電が済み、僕はこのシェルターを出ることにした。娘は依然として寝ていた。男はこう言った。
「起きていると足が痛いってよく泣いてしまうんだ。早く診てもらわないとな。こんな俺でもこの子の親父だからな。」
「奥さんも早く帰ってきたらいいですね。またここに来ることがあれば、その時は4人で楽しくお話ししましょう。」
この家族に幸せな未来が訪れるように。僕は祈ることしかできないけど、きっとこの人が頑張れば大丈夫だ。僕はそう願いながらシェルターを後にした。