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#だてなべ
milk
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<1:36>
目黒が自宅から車をとって向井の部屋に戻ってからは話が早かった。
🧡「スマホ、財布、充電器、鍵……あと着替えは…」
🖤「服はとりあえず俺の着たらいいよ」
🧡「ほなええか、じゃあもうだいじょぶかな」
🖤「よし、行こっか」
向井はとりあえず上だけパーカーを着て下は一応バレないようにブランケットを巻いて隠す。
もちろん向井は自分では歩けない。
🧡「これどうやって行くん?」
🖤「康二荷物自分で持っといて」
🧡「えっ?」
目黒は向井の腕を自身の首に回す。
そして軽々しくお姫様抱っこで向井を持ち上げた。
🧡「ウェェェ!めめ!?」
🖤「暴れないでよ」
🧡「お、おん…」
そしてそのまま部屋の電気を消し、部屋を出る。
この姿でお姫様抱っこされると気分はまるで人魚姫だ。
下まで降りると出口すぐに目黒の車が停めてあった。
目黒は向井を助手席に乗せ颯爽と車を走らせる。
時刻は深夜の2時前。もちろん周囲は真っ暗で街灯の灯りのみだし道を歩く人も1人としていない。
🧡「めめごめんな……こんな時間に」
🖤「俺は大丈夫、日跨いで仕事とか全然あるし」
目黒は業界人だ。時間の感覚が一般人とは少々違うところがある。
🖤「康二こそ眠いんじゃない?泣き疲れとか」
🧡「疲れとかはそんなやけど、水に入りたいみたいな感覚がきてる感じ」
🖤「どゆこと?」
🧡「なんか水が欲しいみたいな、水に入るとなんか安心するねん。冷たさも全然感じひん」
🖤「いかにも人魚っぽいね。着いたら先入る?」
🧡「いやそんなわがまま言えへんよ」
🖤「ほんといいって、今日はそういう日ってことで」
🧡「なんか……いつにも増して優しいな今日は。
そんな優しくされたら…」
そこで向井はハッとして口を閉ざす。
「期待してまうやん」
そう言いそうになった。
🖤「優しくされたら……なに?」
急に黙る向井に目黒は不思議そうに聞いてくる。
なんとか誤魔化さなければ。
🧡「優しくされたら、……め、めめのファンの子達に恨まれてまうわ。お姫様抱っこまでされて」
🖤「ハハッなにそれ笑そんな事で恨まれないよ」
目黒が疑問も持たずにこやかにしているのを見ると、どうやら上手く誤魔化せたようで安堵の息を静かについた。
<2:04>
目黒のマンションに到着し、再びお姫様抱っこされたまま部屋まで運んでもらった。
向井をリビングのソファに下ろし、目黒も隣に座った。
いつものように遊びに来たのではなく今からここで住むと考えるだけで見慣れた目黒の部屋が新鮮に見える。
🧡「めめ風呂入ってき。俺はええから」
🖤「いいよ、康二先入りなよ。お湯じゃなくて普通の水がいい?」
🧡「いやでも……」
🖤「でもって言うなら無理やり連れてくよ」
そう言って遠慮する向井を担ぎ上げ風呂場へ行く。
🧡「もう!俺が歩けんのええ事に!!」
🖤「大人しくして笑」
まだ空の浴槽に向井を降ろすと有無を言わさず水をドバドバ入れ始める。
🖤「ほんとに冷たくないの?」
🧡「……うん全くやな」
🖤「ほら上も脱いで。脱がないなら俺が脱がすよ」
🧡「わかった脱ぐけん!」
🖤「俺は気にしないでいいからゆっくりしなよ。リビングいるからなんかあったら呼んで」
🧡「…ありがとな」
向井からパーカーを預かった目黒は風呂場から出ていった。
1人になった向井は水面を顔を埋め火照る顔を少しでも冷まそうとするのだった。
<2:09>
目黒からゆっくりしていいよと言われるも流石に気を使う。
30分程度で向井は水から抜け出した。
脱衣場にはタオルと新しい上着が置かれていた。
目黒の普段着ているスウェットなのはすぐに分かった。
自分が着るために置いてくれたのだろう。向井はそのスウェットを着ると1つ大きく息を吸う。
🧡(……めめの匂いや)
水とは違う安心感があった。
目黒の匂いは昔から変わらず好きだ。
ずりずりと床を這い目黒がいるであろう明かりがついているリビングへ向かう。
🧡「めめ〜出たで。ありがとうね……めめ?」
ドアを開けるとソファに横たわり静かに寝息を立てている目黒がいた。
🧡「やっぱ疲れとったんやん……」
向井は寝ている目黒の寝顔をジーッと見つめる。
寝顔だと少し幼く見えるのも変わらない。
起こさないようにサラサラの髪をそっと撫でた。
🧡「ごめんなぁ……俺のせいで」
なるべく音を立てず部屋の明かりを消した後、寝室から毛布を引きずり出した。
目黒に毛布をかけ、向井は来る時に下半身に掛けていたブランケットを被りソファの下に寝転がる。
本当に長く、展開に追いつけない1日だった。
向井はそばに居る目黒の存在を感じながら、静かに目を閉じた。